ハニーと博士の会話
「博士はどうしてフレンチ君のことが好きなの?」
歩きながら、ハニーは博士に訊ねた。
「当ててごらん」
「可愛いから?」
「うーん、それもあるけど他には何か思いつくかな」
「フレンチ君はクールで賢くて優しいよね。だから好きになったの?」
すると彼は高笑いをして「正解」と言った。
「彼は冷たさのなかに優しさを秘めている。例えるならば冷たいアイスクリームの中に温かい苺ジャムが入っているようなものだよ。容姿も愛くるしいし、おまけに賢いときている。助手としても恋人としても、彼は私にとってかけがえのない大切な存在なんだよ」
それを聞いたハニーは頬を赤くして、両腕を自分の胸の前で組んで祈るような仕草をする。
「今の博士のセリフが告白みたいで、感動しちゃった!」
「ハハハハハ、まあ告白みたいなものだからね。こんなことを話すのもきみとふた
りきりだからだよ」
「いつも褒めてくれるから、博士と一緒にいると楽しいな♪」
「私も楽しいよ」
ハニーと博士は手を繋ぎながら、目的地であるケーキ屋まで歩く。
傍から見るとその光景は、少し歳の離れた兄妹に見えるが、そんなことを気にするような彼らではなかった。




