ジョギングの目的
「博士、早く早く♪」
「ハニーちゃん、もう少しスピードを落としてくれないかね?」
「そうしたら運動にならないから、がんばって!」
ハニーは次の日から、早速博士と一緒にランニングを始めることにした。
博士を誘ったのは、誰かと一緒に走ると楽しさが倍増して長く走ることができる他に、彼も彼女と同じく運動不足を指摘されたからである。けれど、やはりハニーは生まれ持った身体能力の高さもあるのか、近頃運動していないという割には信じられない速さで走っている。
それに対し博士は元から運動嫌いであり、フレンチとの二人三脚以来運動を避けてきたのがたたり、数十メートル軽く走っただけでも息を切らしている。
「そうだ!博士、どうせだから都会に新しく出来たケーキ屋さんまで歩いていかない?」
「……走りだったら断っていたけど、歩くのならそこまで疲れないから、行こうか」
「わーい、嬉しいな♪」
彼女は嬉しさのあまりジャンプして飛び上がる。その跳躍は凄まじいものがあり、上空を飛んでいる飛行機にあと少しで衝突するほどであった。そんな彼女を見た博士は苦笑して、
『ハニーちゃんはそういえば宇宙人だったなぁ……』
「どうかしたの、博士?」
「いや、何でもないよ」