フレンチのダイエットのアドバイス
「どうしたんですか、ハニーさん!?」
彼女の叫び声を聞き、何も知らないフレンチが駆け寄ると彼女は涙目になっている顔を向けて呟いた。
「太ってるよぉ!」
その言葉にフレンチは、
「それはそうでしょう」
「ふえええっ、フレンチ君酷いっ!」
「でも、本当の事ですし……」
フレンチはいつもなら博士にするドス黒い笑みを彼女に浮かべ、更に言葉を続けた。
「大体ハニーさんはいつもスイーツを食べすぎなんです。太るのも当たり前ですよ」
「そんなこと言ったって、美味しいんだもん!」
冷たさは愛情の裏返しという言葉があるが、今のフレンチはまさにその状態であった。しかし、泣きじゃくる彼女を見てさすがに心が痛んだ彼は、彼女にこんな言葉をかけた。
「ハニーさん、もしダイエットしたいのなら、ヨハネス君に相談してみてはどうですか?彼はあんなに食べても太っていませんし」
「――フレンチ君、彼の場合は体質の影響が大きいので、彼女の参考にはならないと思いますよ」
冷静に的確にフォローをするリヨンに、フレンチはぎくっとした後にこやかな笑顔で、
「そ、そうでしたねリヨンさん。僕のアドバイスはあまり参考にならないみたいですので、お風呂に入ることにしましょうか」
彼は内心自分のアドバイスが反論されたことに怒りを覚えながらも、それを表には出さずに博士に覗きに来ないように念を押して風呂場へと向かった。




