喫茶店でお悩み相談
「この大食い!」
「ナルシスト君!」
フレンチとヨハネスは仲が悪い。彼らは家が近所同士ということもあり、頻繁に顔を合わせるのであるが、その度にフレンチが挑発し、ヨハネスが正論で返していくうちに口喧嘩になり、しまいにいつもひっぱたき合いに発展していくのである。
それを困っていたのが、彼らの親であった。フレンチの母親とヨハネスの母親は、喫茶店『オ=ルボワール』でお茶を飲みながら、どうしたら息子達の仲がよくなるかと考えていた。
ちなみに、『オ=ルボワール』は前回ハニーによって大破されたはずなのに、どうして元に戻っているか気になる読者の声がある可能性があるので念のために解説しておくと、この作品がコメディだからである。
納得したようなので、母親達に話を戻してみよう。
彼女達は息子達とは対照的に仲が非常に良好であった。彼女らは息子達の普段の生活をあれこれと話しながら、注文したケーキを口へ運ぶ。
「弱りましたね、どうすれば子供達が仲良くできますでしょうか?」
「毎日最低でも一回は顔を合わせる仲ですから、仲良くしてもらいたいんですけどねぇ」
すると彼女達の話を聞いたスフレがお冷のおかわりを入れるついでに口を開いた。
「あのお客様、もしよろしければ、僕がお力になりましょうか?」
「えっ……いいんですか!?」
驚くフレンチの母に彼はにっこりと微笑み、
「もちろんですとも。お客様の幸せが、このお店の喜びですから。僕ができることでしたら、何でも申し上げてください」
爽やかな笑顔で自信を感じさせる彼に、ふたりは息子達の仲直りを任せてみることにした。




