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可愛いは正義?

ハニーはジャドウの猛攻に圧倒され、地面に倒れ伏していた。

目の前では敵が彼女に止めの一撃を浴びせようと構えている。当然であるが、この作品のヒロインである彼女がそう簡単に止めを刺される訳もなく、まるで狙いすましたかのように、彼女のところに博士達三人がやってきた。


「作者め……」


彼は憎々しげ唇を噛みしめ、作者への不満をぐっと飲み込んだ。


「ハニーちゃん、大丈夫かね!?」


博士は結界を叩いて彼女の反応があるかどうかを確かめる。すると彼女はその音が聞こえたらしく、首を彼の方向に向け、聞こえるか聞こえないか分からないほどの小さな声で呟いた。


「博士……それにみんな……」


みんなと一口に言っても正確にはフレンチとリヨンしかいないのだが、グロッキー状態の彼女にそれをツッコむのはあまりにも酷である。


「立ち上がってください、ハニーさん!」


「そうしたいのはやまやまだけど、体が言う事を聞かない……」


「彼に勝ったら私の手作りプリンをあげますから」


冷静な口調でポツリと囁いたリヨンの言葉に彼女はガバッと勢いよく起き上がる。


「バカな!?奴はあれほどまでにこの俺が痛めつけていたはずなのに!!」


日頃は落ち着いているジャドウも目の前で起きた事態に目を丸くし、狼狽する。


「人は好物が絡むとやる気を出しますから」


「こうなれば止めを刺すしかないようですな。終わりだ、ハニー=アーナツメルツ」


彼が剣を振り上げたその時、彼女の蹴りが彼の股間に命中。


「グオオオオッ!」


急所を蹴られた彼は、その拍子に剣を落とし地面を転げまわって悶絶する。


「今だ、サンダーレィィンスウゥパァー!!」


ジャドウは彼女の必殺技の強化版を受けて退散。こうして喫茶店の平和は守られた。


「やっぱり可愛いは正義だね♪」


勝利のVサインで決めようとしたが、彼女の掌から紫色の光線が放たれ店に直撃し、店は大破してしまった。


「はわわっ、ご、ごめんなさ~い!」

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