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ないしょ話

博士達が帰った後、誰もいない店でスフレは中年女性の店長と話をしていた。


「店長、実は俺今まで店長に黙っていた事があるんです」


中年であまりさえない風貌の店長は細い瞳をますます細くして彼を見つめ、


「もしかして黙っていたというのは、あなたが男ではなく実は女だったということ?」


「そんなわけないでしょう!」


彼は思わずムキになって言い返すが、生意気な口調になっていたため慌てて頭を下げた。しかしながら店長はそんなことはさして気にもしていない様子で彼の秘密を聞こうとする。スフレは客が入って来ないかと店の外へ出てあたりを見渡した後、店長の耳に口を寄せ、小さな声で囁いた。彼の言葉に店長は、


「ごめんね、声があまりにも小さすぎて聞こえなかった。もう一度言ってもらえるかな?」


「――実は俺、闇野髑髏さんの隠れファンなんです。闇野さんの余裕のある大人の対応とかが」


「……ふうん」


「ふうんって店長、驚かないんですか!?」


「そりゃそうだよ。私は大したことでは驚かないよ」


その答えにがっくりと肩を落としながらも少し笑み、


「でも、店長に話せてよかったです。じゃ、また明日」


「うん、また明日ね」


その翌日、とんでもない客が店にやって来ることを彼女達は夢にも思わなかった。

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