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近所の薬局

「フレンチ君、起きないねぇ」


ハニーは頬杖をついて彼が起きるのを待っている。博士はもちろんのこと、彼のことが心配で仕方がないといった風な様子で、先ほどからぐるぐると部屋の中を歩き回っている。

亜月だけは楽観的に考え、本を読みながら彼が起きるのを楽しみにしている。しかしながらフレンチの疲労は余程のものであったのだろうか、起きる気配は全くない。困惑した博士は、いかにも暇そうな亜月に言った。


「亜月ちゃん、フレンチ君を眠りから起こすために近所にいる薬局でお薬を買ってきてくれないかね」


「いいよ」


彼女はあっさりと彼の要求を受け入れ、薬局に向かった。

博士の家から百メートルほど行った先にある薬局店『樫羽』。そこの店主である少女、樫羽千歳かしわちとせと博士は仲が良かった。そのため博士は彼女にフレンチの目が覚める薬を調合してもらおうと考えたのである。亜月が店内に入ると、黒い瞳、白のワンピースに茶色のベストに同じ色のサンダル姿の彼女が出迎えた。


「いらっしゃい、何か用?」


「用って……お薬を買いに来ました」


「あんた見慣れない顔だけど、この街に来たのは初めて?」


「はい!友達のフレンチ君の家に遊びに行ったのはいいんですが、彼が疲労で倒れてしまって……」


千歳はなんともつまらなそうな目つきで彼女を見つめた後、口を開いた。


「フレンチの様子が心配だから、私が直接会いに行ってそこで薬を調合してやる」

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