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人の振り見て我が振り直せ

しばらく会話を続けていたふたりであるが、彼女の口から出てくるのは、大半がフレンチに対する嫌味や皮肉であり、彼は普段から人に毒舌を振りまいている割には、自分が悪口を言われるのは耐えられないらしく、口元には微笑みを浮かべながらもその瞳には怒りの炎が激しく燃えている。しかしながら、ここでも亜月の方が勝っており、彼女は彼の怒りを察知して、話を逸らした。


「キミのガールフレンドのハニーちゃんはどこにいるの?」


「僕のガールフレンドじゃないですっ、彼女は剛力徹さんのガールフレンドなんですよ」


「へぇ~、でもおんなじ家に住んでいたら、好きになる事もあるんじゃないかな」


彼女はじろーっと少し悪戯っぽい目で彼を見ると、彼は恥ずかしさのあまり顔だけでなく耳まで赤くして、


「そ、そんな事ありませんよっ」


「ふーん、ならいいけど。あ、これは聞いた話なんだけど、フレンチ君はシナモン博士が好きなんだよね」


「だれがあんなド変態博士なんかを好きになるもんですか。僕はあくまで女の子が大好きなんです!」


「……フレンチ君は、私の事が好きではないのかね……」


いつもとは違うどんよりと落ち込んだ声で彼に呟いたのは、いつの間にか座っていた博士であった。彼の存在に気付いたフレンチは、大きく瞳を見開き、驚愕する。


「いつの間にいたんですか!?」


「フレンチ君。私はいつでもきみの傍にいるよ」


博士の言葉を聞いて、彼は思った。


『もしかするとこの人は、そのうちトイレにまでついてくるかもしれませんね……』

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