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フレンチの幼馴染登場!
「はぁ……」
フレンチは自分の目の前に笑顔で立っている、腰まである黒髪に右目に眼帯をした少女を見つめ、大きなため息をひとつ吐いた。
「ちょっと!人の前でため息を吐くなんて、失礼だよ!」
「それは他の人の場合のお話でしょ。幼馴染である鈴原亜月さんには関係のない事です」
彼はソッポを向いて彼女の顔を見ないようにするが、彼女の方が一枚上手であり、彼が向いた方向に合わせてフレンチの顔を覗く。
何度も同じ事を繰り返しているうちに、冷静沈着な彼もついに降参してしまい、彼女と顔を合わせて口を開く。
「亜月さん、どうして僕達の家に来たんですか?」
すると彼女は可愛いウィンクをして答えた。
「そんなの決まってるじゃない。フレンチ君がこの家の博士の助手になったって聞いたもんだから、会いに来たの!」
「その情報、一体どこから手に入れたんですか」
彼が少し呆れたように訊ねると、彼女は親指を立てて、
「私の特技は情報収集だよ?いろんな情報知っているのは当たり前だよ!」
フレンチは彼女に気づかれないように、今度は小さくため息をついた。