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魔王の爪痕

久しぶりの更新です。

楽しみにしていた方はお待たせしました。

これからも宜しくお願いします。


誤字、脱字、感想などお待ちしてます。

最凶の敵であるキョウキを無事に打破し、魔王に進化を果たしたキリヤは情報収集の為に人間と魔物の混合軍と化している要塞都市(アインバルド)の者達と共にその場を後にする。



「よぉ、お前らも無事だったんだな。良かったよ」

簡単な事情を説明してもらったキリヤは言葉を発する。


「あんたなんかにッ! 心配される覚えなんてないわ!

急に声を荒げて叫ぶのは魔人の一体であるハーピィだった。それも、そのはずだった。この魔人の兄に当たる魔人はキリヤとの戦闘によって負ったダメージが払拭する前にオークの群れのボスの魔人との闘いにて命を落としたのだから。


「あんたさえ、この森に来なければ、お兄様も、私達の故郷が喪われることになんてッ! ならなかったのにィ!」


「ッツゥ、それは……」

兄を喪った魔人(ハピネヴェース)の激情に言葉が詰まる。

「そのくらいにしときなさい。貴女達の首領は僕達の首領を相手に相打ちにまで持ち込んだのですから、それを誇りなさい」

ハピネスの叱責を止めたのはオークの魔人であるオクマルである。彼はオークには珍しく知能派である。

 彼の言葉もあり、周囲は静寂に包まれはじめる。


 そこから一刻程の時間を移動に費やし、要塞都市(アインバルド)の城壁前に辿り着く。


標的(キョウキ)の討伐者殿をお連れした。カインズ様の元に御案内する為に門の開門を頼む」

「ご苦労様です」


 兵士同士のやり取りを耳にしながら、この後に面会をする手筈になったカインズについて思案する。


 この連合軍の元となったアインバルド軍でもトップだった人。貴族の出自でもあり、階級は准将とエリート街道を走り抜けてきた男である。戦闘も魔法にも秀でて、知恵が回る癖者との噂もある。

 その噂の通り、この危機的状況の中で魔物と同盟を結んだりと、中々に普通の感性だと出来ない事をやってのける人みたいだな。


「ここで、暫くお待ち下さいませ」

「ああ、了解した」


通された応接室にて、少し待機するキリヤは周囲に気配を感じる。


(天井裏に三人、窓の外に二人、扉の向こうに五人……

少し、警戒されてるみたいだな)




 応接室にて待つこと十分弱。部屋の外側が騒めきだす。

 

「失礼するぞ」

 部屋をノックする音と共に軍服を着用した壮年の男が部下を数名率いて部屋に入る。

 

「アインバルド連合軍を率いているカインズ・ベルドレン准将だ。宜しく頼む」

 細身ながらキッチリと鍛えられたのが分かる肉体と多大な魔力を宿しているのが、一目でわかる。

「どうも。キリヤといいます。宜しくお願いします」

 出されたカインズの手を取り、挨拶を返す。


「簡単な挨拶も済んだところで、本題に移ろうか。

我々も色々と調べてみたのだが、あれほどの実力を持っているにも関わらず、一週間ほど前にアイサークの街に現れた死神・・と噂されている者という事しか掴めなかったのだが……キリヤ殿は何者なのだ?」

「……」

 カインズの問いかけに沈黙で応えるキリヤ。

 そのやり取りに後方に控えている部下たちにも緊張が走る。


「……え? いま、なんて? 」

 この時に初めて自分が死神だなんて、厨二的な名前で呼ばれていた事に気付き、動揺が隠せなかった。

 アイサークで竜魔人ドラゴンを撃退した事は大勢の人間が目撃していたので、周知の事実ではあるが、死神と噂されていることなんて、予測なんてできる筈がない。


「キリヤ殿は何者なんだ? 」

「いや、そこではないです……死神ってなんですか?」

 キリヤは魔法や詠唱などには心をくすぶられる事は多々あるが、自分の事を神だの死神だのと呼ばれて平然としてられる心情は持ち合わせていない。



「それだけ、貴殿には謎が多いということだな。我が国の諜報部にも貴殿の情報は掴めなかったのだから」

(全身を覆い隠す黒服に巨大な鎌というイメージというのもあるけどな)


 


 















ファシル王国





 



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