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ハプトヴァースの力

お久しぶりです。長らくお待たせしました。

新しい学校の勉強に付いて行くのが、やっとで全然更新出来ませんでした。今回は少し短めです。

申し訳ありませんm(__)m

※今後も更新は不定期です。

 キリヤは全長10メートルを超えてあるオクゾールの右腕を切り落とす。腕を切り落とされた当の本人であるオクゾールは驚愕していた。


「まさか、一瞬で腕を落とされるとは……」

 驚いていたオクゾールは、すぐに冷静さを取り戻した。冷静に成れば、成る程に意味が分からなかった。自分の剛腕があんな華奢と表現する様な細腕で叩き斬られたのだから。


「小娘、多少はやるではないか。儂も油断したわい」

 切断面から血がドバドバと流れる。それをオクゾールは自身の筋肉を収縮する事で傷口を塞ぎ止血する。


「油断? ハッ! 笑わせんなよ、ただの実力の差だろうが」

 キリヤはオクゾールを鼻で笑い、挑発する。


「その剣は危険じゃな。だが、これで、剣の間合いには入らんぞぉぉ!!」

 森林に生えている大木をそのまま生身で引き抜くオクゾール。その大木を横に一閃する。大木は20メートル以上だが、当然の様に振るう。



 キリヤはその場から一歩も動かずに竜炎でハプドヴァースと自身の周辺を覆う。竜炎で覆ってあった領域は無傷だったが、風圧だけで近場の樹木が薙ぎ倒され、砂煙が舞う。


「そんな、攻撃が通じるとでも思っていたのか? 」

 砂煙が風で流される。無傷な姿のキリヤを見てオクゾールは冷や汗を流す。勿論、今の一撃で倒せるとは考えていなかったが、能力スキルだけで防いだのは想定外だった。


「純粋な剣士かと思えば、他にも強力な能力スキルを所持しているとは、末恐ろしい小娘じゃな」

 オクゾールは戦慄する。身体能力も高く、強力な能力スキルをこの様な小娘が会得していることに。


「御託は良い、死になっ!  炎よ、敵を焼き尽くせ 《ヴォルケーノ》」

「甘いわっ! 大地よ、敵を拒め 《ガイヤウォール》 」

 キリヤの放つ炎をオクゾール土壁を創り出して見事に防ぐ。土壁は10メートル級のオクゾールの全身を隠せるように巨大であった。


「フンッ! 先程の炎よりも温いわぁぁ! この程度なら脅威にもならんッ!」

 オクゾールは先程の炎を脅威に感じていたが、この魔法には感じない。


 キリヤの『火魔法』は『竜炎』よりも能力スキルランクが低い。【希少レア】では【固有ユニーク】に普通は敵わない。その為に竜炎よりも火力が低いのは当然であった。


「岩よ、砕けて敵を撃て 《ストーンショット》 」

 オクゾールは自身が先程に防御の為に発動させていた岩壁をを砕き、つぶてを飛来させる。壁自体が巨大だった為に石礫の量も大量である。そして、一つ一つの威力も高い。



 キリヤは再度、自身の周囲に竜炎を展開する。高速度で打ち出されてくる岩の礫を一瞬で燃やし尽くす事で一撃も受ける事はない。キリヤから狙いがそれた礫が周りの木々に当たると、それらを簡単に貫通するので、その威力の高さが伺える。

 完全に竜炎でオクゾールの放つ礫を防いでいると、突如としてキリヤの眼前に礫が迫る。顔を横に逸らす事でカスルだけで済んだが、今の攻撃は竜炎を突き破ってから放たれたことになる。


「これだけの魔力を注ぎ込んだ攻撃ならば、その炎を超えてお前にも届くんだな」

 オクゾールは徐々に込める魔力を高めていき、どの威力ならば、攻撃が届くかを検証していたのだ。既に検証が終わったので、放たれてくる礫は全てが竜炎の防御を突き破る威力である。


「なっ!!」

 キリヤが気づいた時には既に遅かった。マシンガンの様に連射されてくる礫の全てが竜炎を突き破り、キリヤを襲った。一発自体では、大したダメージにはならないが、数が多かった。それだけで脅威だ。攻撃に晒され続けている所為で上手く能力スキルも発動出来ない。


 やっとの想いで『竜炎武装』を発動出来た時には、既に数百を超える数の攻撃をその身に受けていた。竜炎武装で作成された大盾に拒まれるからか、オクゾールは礫を放つ事を止める。


 全身に青あざが多数出来上がる。キリヤは治療するべく意識を集中するが、オクゾールは待ってはくれない。


「岩よ、敵を潰す槌となれ 《ストーンハンマー》 」

 オクゾールは巨大な大槌を土魔法で作成し、キリヤに振るう。これが、腕とかだったならば、切り落とす事に意味があるが、魔法で作成した物なので、大した意味にはならない。よって、キリヤはハプドヴァ―スの遺体を抱えて飛び退く。


 直後に″ズドン"と轟音が響く。さらに膨大な砂煙も舞う。


 オクゾールの実力はキリヤからすれば、大した脅威ではなかった。それでも、体格差があり過ぎるので、闘いずらいのは事実であるが、それだけであった。オクドーよりも身体能力も高く、能力スキルも多いが。それでも、ハプドヴァースと同程度でしかない。つまり、本気を出せばキリヤの敵ではない。


「ハプドヴァ―スをの姿で倒した方がアイツも浮かばれるかな」

 キリヤは独り言を呟く。そして、ハプドヴァースを喰らう。すぐにハプドヴァースは光の粒子に返還され消える。キリヤの脳内に能力スキルが増える時のアナウンスが響き渡る。キリヤはハプドヴァースの姿に変身する。




 オクゾールは驚愕する。自身の目前に居た少女の姿が消え、自らの手で冥府に送った相手であるハプドヴァースが立っているからだ。


「――――――ッ! どうして、貴様が生きている!? あの小娘はどこに……」

 オクゾールはこの状況を正しく把握できなかった。自身が戦っていた相手が突然と消え、代わりに先程に仕留めた相手が目前に居るからだ。


「てめぇを地獄に落とす為だよ。他にあるとでも思うか?」

 キリヤはハプドヴァースになりきって演じる。


「そうか。ならば……も一度貴様を殺せば済む話だな。岩よ、敵を撃て 《ストーンショット》 」

 地面の土や岩が小さな礫に変化し、キリヤ目掛けて高速で飛来する。

「風よ、我の敵を蹴散らせ 《暴風波ストームブリンガー》 」

 キリヤはハプドヴァースの切り札であった暴風波ストームブリンガーで迎え撃つ。多数の石礫を弾き飛ばすが、それでも多くの礫がキリヤに目掛けて飛んでくる。


 キリヤの想像よりも威力が低いのだ。ハプドヴァースの使っていた時の威力を出せない。魔力は膨大な量を込めたにも関わらずだ。


 キリヤはその理由を判明出来ない。



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