ボノロア大森林 ~キリヤの苦悩
危なかった……2月は28日までだった。月末まで時間無かった(・・;)
次回の更新は一週間の予定かな?……詳しくは未定です
キリヤとハプとヴァ―スの戦闘は中断され、ハプとヴァ―スは仲間のハーピィとオークの元に向かった。
(俺も様子見と行こうか。良い能力持ってる奴は居るかな?)
キリヤはあの二人を尾行する為に移動を決めたところで話し掛けられた。
「ねぇ、貴女は何でお兄様の命を狙うんですの?」
声の方向に視線をずらすとハピネヴェースが居た。
「……俺が死なない為かな?」
絶対にハプドヴァースを殺さないといけない訳ではないが、ここで諦めたら……多分、敵対していない魔人を狩る事が出来ないと思う。だから、ここで捕食を諦める訳にはいかない。それなのに、何故か心が痛む。アイツが仲間想いだからなのか? もう既に数多く人間を殺してるのにな。この世は弱肉強食だ! ここで捕食を断念すれば、俺がベルゼブブに捕食される。捕食して力を身に付けないといけないのに……
「……ふざけてますの? お兄様は貴女の命なんて、興味ありませんわよ」
「アイツ自身は殺さないが、俺が多くの魔人を殺して力を身に着けないと……俺はとある悪魔に殺されるだろう 」
ハピネヴェースは黙って話を聞いていたが、最後に口を開く。
「貴女はそれで良いんですか? 自分自身の為に他の人を犠牲にしても、確かにこの世は弱肉強食ですけれども、関係の無い魔人を殺して助かって満足ですか? まぁ人間に言ってもわかんないでしょうけどね!……もし、私の仲間に手を出したら、何が何でも貴女を殺します! わかったわね 」
伝える事を言い終わると、彼女は残りの仲間のハーピイに指示をだしていた。
その様子を見ながらキリヤは悩んでいた。
(そんな事言われなくても、分かっている。でも、他に方法が無いんだよ! 何で転生して数カ月も経過していないのに悪魔王なんてふざけた存在に命を狙われないといけないんだよ! 俺の方が理不尽な目にあっているだろっ )
キリヤは地面に仰向けに倒れて空を見上げる。
(人間は無闇に殺したくないと我が儘を言ってから魔人を殺すことにしたのに魔人を殺す事にも抵抗があるなんて、自分の性格を呪うしかないのかな。ドガルガルを殺すときには抵抗は無かったのにな)
キリヤは昔の事を思い返していた。昔と言ってもそんな時間は経過していないが。今までは平気だったのに、何故、今回はダメなんだろうか? そこからキリヤは考えた。そして、一つの結論に至った。
それは、自分は敵は容赦なく殺せるらしい。アリス達を救う為に邪神教の奴等を殺したのは、アリス達の為だしな……繋がりや情報の為でもあったけ。
「もしかして、俺ってば自分の為だからって関係の無い奴を犠牲にはしたくない、のか?」
つい、独り言を口から溢しながらもキリヤは考える。自分はどんな人間なのだろうか? 関係ない奴を巻き込むのは止めるべきなのだろうか? もし、止めたらどうやって強くなればいいのだろうか? それとも、自分勝手でも他人の人生を奪っても生き残れば良いのだろうか?
いくら、考えても答えなんて出てこない。そして、どれくらいかの時間が過ぎた頃にハピネヴェースがボロボロの状態で戻って来た。
「総員に告ぐ! 今すぐ撤退だ! 豚共が来るぞ! 殿は私に任せろ!」
ハピネヴェースは力の限りに叫んでいた。そして、キリヤの前まで来た。
「お願い、お兄様を助けて! 貴女に頼むのも筋違いだって、分かってる! でも、貴女以外に頼れる人が居ないの 」
「……」
しかし、キリヤは答えない。いや、応えられない。今までは特に考えずに自分の思う通りに進んできた筈なのに。
「お願い! 私に出来る事なら、何でもするから! ここで、私を殺しても構わないからお兄様を助けてっ! 」
ハピネヴェースは真剣な眼差しでキリヤを視る。
ハピネヴェース達が戻って来た。様子を見る限り、敗走してきたのだろう。そんな中でハピネヴェースがキリヤの前に来てから頭を下げてからハプドヴァースを救ってくれるように頼み込む。
「場所はどこだ?……勘違いするなよ、ただボスの魔人だけを倒すだけだからな!」
キリヤは立ち上がり、ハプドヴァース達が戦っている場所を訊ねた。
「ここから西に数キロ進んだところよ……それでも、ありがとう」
最後の方は小声で殆んど何を言ってるか聞こえないレベルだったが、お礼を述べてから二人はハプドヴァースの元に向かった。
「……貴女も飛べたのね」
「飛べないとは、言ってないし」
二人は空を飛びながら、目的地に急いでいた。少しして、戦闘を行なっているであろう場所が見えてくる。
「あそこよ!」
ハピネヴェースの言葉を聞いて、キリヤはその場所に降り立つ。そこには二人の魔人の姿があった。一人目はハーピィの魔人であるハプドヴァース。もう一方オークの魔人だ。オークの魔人は身長が3メートルにも届きそうな程の巨体であった。対するハプドヴァースは2メートルにも届いていない。
体格差だけを見れば、ハプドヴァースが断然に不利であった。だが、この世界では体格差などはあって、ない様なものである。それでも、状況を確認してみると、ハプドヴァースの方が敗けている。キリヤとの戦闘の所為もあるのだろうが。
「ハプドヴァースよ、さっさと我が軍門に下れよ。このままだと、鬼共にこの森を支配されるのは目に見えてるだろう」
オークの魔人が戦斧をハプドヴァースに突き付けて、話し掛けていた。
「軍門に下れだと、対等な同盟だと最初に言ってきたのは、やはり嘘だったのか?」
傷だらけで戦斧を向けられているハプドヴァースの目には怒りの表情が伺えた。
「おっと、口が滑った。対等だよ。対等に決まってんだろ。鬼に勝つ為には戦力が必要だろ? 純粋な個々の戦闘力ではオーガには勝てない。その為に我らは、数で挑むのだ! その為にも、数を増やさなければならないんだよ。分かるだろう? 」
オークの魔人は下品な表情をしながら、ハプドヴァースに語る。
「それは、我が同胞にお前たちの慰め者になれと言ってる様なものではないか! ふざけるな! 」
オークの性欲はかなり強大である事は周知の事実である。その為、女の冒険者などはオークに捕まると自害をする者も少なくはない。
「そうか、まぁ同盟に加入せんと言うならば、仕方ない。力で屈服させるか。その為には、お前は邪魔だな 」
オークの魔人はハプドヴァースが同盟に加わるのを拒否したので、殺す為に戦斧を振り上げた。
「お兄様っ!?」




