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ドガルガルとの激闘

皆さん、こんばんわ。

長らく、お待たせしました。次回は一週間以内の予定と言いましたが、かる~く過ぎてました。すみません><


 アイサークの街の中では二頭の竜種ドラゴンと騎士団が戦闘を繰り広げられていた。その騎士団の総指揮をしているのが、ガンズ・バーミリオン侯爵だ。ガンズ・バーミリオン侯爵はアリス達の父親なだけあって、確かな実力を所持していた。それでも、空を自由に駆け回るドラゴンに防戦一方である。領空を支配されたも同然である。こちらにも竜騎士と呼ばれる兵士達が居るが、竜の中でも上位に位置する二体の魔人を相手にするのは、厳しいのだ。

 その結果、バーミリオン侯爵率いる騎士団も奮闘しているが、街は徐々に炎に蝕まれている。


 街の外の平原でも戦闘が起きていた。その戦闘を起こしている相手とは『龍神王ガルザーク』が率いる魔竜軍の四天王を務めているドガルガルだ。そんな強力な上級魔人の相手をしているのは、元『疾風迅雷のタカユキ』のパーティメンバーでもあるミユ・バーミリオンとドガルガルと同じ上級魔人であるキリヤ・エルロードであった。


「おいおい! 余所見とは余裕じゃねーかッ!」

 キリヤが尻目に街の方を見ていたら、ドガルガルが一瞬で踏み込んでから剣を縦に振るう。キリヤは一瞬、油断したが神眼ゴッド・アイのおかげで剣の軌道を正確に見極め、身体を横に少しずらし、紙一重で回避する。しかし……


「グッ……面白い技だね。回避出来なかったし」

 そう、紙一重で回避した筈だったのだ。しかし、回避した直後にドガルガルの剣の周辺が爆発したのだ。それを至近距離で受けてしまったのだ。

 致命傷には程遠い威力だが、顔と左腕に火傷を負ってしまった。髪も少し焦げた。


「ほぉ~う。今の攻撃を直撃したのに立てれるとは、人間にしたら上出来だな」

 ドガルガルは余裕の表情でキリヤ達を見ていた。

「キリヤさん!? 大丈夫?」

 慌てて、ミユもキリヤの心配する。


「はい、大丈夫です。彼の傷を癒せ 《ヒール》 」

 キリヤはすぐに光魔法の《ヒール》を唱え、傷の回復に努める。その状況をドガルガルは腑に落ちない様子で見ていた。


「おい! 貴様、貴様はアリス・バーミリオンではないのか?」

 ドガルガルはキリヤを指差しながら、尋ねる。

「ああ、そうだぞ。アリスとは別人だ」

 キリヤの返答を聞いたドガルガルは急に笑い始めた。

「ガハハハ! 我輩を騙すとは、面白いぞ。名を名乗るが良い」

「別に騙してなんかないさ。ソッチが勝手に間違えたんだろう。キリヤだ、キリヤ・エルロードだ。もう間違えんなよ」

 名乗らなくても良いが、キリヤは名乗った。



「そうか、キリヤか。覚えておこう。それでは、第二ラウンドと行こうかッ!」

 ドガルガルは喋り終わると同時に地面を蹴ってから距離を詰める。


「風の精霊よ、敵を切り裂いて 《ウィンドカッター》」

 攻撃しようと接近したドガルガルだったが、ミユの唱えた精霊魔法が彼に襲い掛かった。ドガルガルは後方に跳躍して、風の刃を躱したので何ともなっていない。


「おいおい! これから、少し愉しめそうだったてのによぉぉッ! 先ずはミユ・バーミリオン、貴様から相手をしてやるぜッ!《爆炎斬》 」

 ドガルガルは闘いを邪魔されたに、腹が立ってしまったのかミユを最初に狙う事にしたみたいだ。ドガルガルの振るった剣からは炎の斬撃が飛んでくる。


「ミユさん! 危ない!」

 キリヤは急いでミユの場所に向かおうとしたが、それを邪魔するかのように斬撃を放った直後にドガルガルがキリヤの方に向かう。


「余所見してんじゃねーぞぉぉ!!」

 ドガルガルの振るってくる剣と大鎌で鍔是り合いになる。上級魔人まで進化したキリヤの身体能力はかなり高い。だが、竜種ドラゴンの上級魔人であるドガルガルよりは力では劣る。


「《クイック》ッ!」

 ミユは『歩術』の一つである《クイック》を発動して、後方に高速で移動して難を逃れていた。


「何だ、ただの魔術師だと思っていたが、多少は動けたんだな。もっと強力な技で狙うんだったぜ!」

 ドガルガルは攻撃を回避された事なんて、まるで気にした様子を見せずにキリヤと鍔迫り合いを続けている。

「いい加減、うぜぇーんだよぉぉ!!」

 キリヤはこのまま鍔迫り合いをしていたら、不利だと感じたので大鎌を手放してから後方に跳躍すると同時に身体変換メタモルフォーゼで剣を作成し空中でドガルガルに振るう。振るった剣先から斬撃がドガルガルの方に放たれる。勿論、ただの斬撃では無い。闇夜之暗殺者ナイト・アサシンの《絶対切断》の効果を混ぜた一撃だ。


「しゃらくせぇぇ!!」

 ドガルガルは斬撃を剣で弾き飛ばした。しかし、剣は根元辺りから先がキレイに無くなってから、ドガルガルの身体を多少だが、斬りつけていた。その為に、多少だが血が流れた。



(絶対切断でも斬れないのかッ!?……いや、斬撃に組み込んで発動したから威力が下がったのか?)

 キリヤはこの時、少し動揺していた。一撃必殺だと思っていた技が、一撃必殺じゃなかったからだ。一応は、ドガルガルにダメージを与えてはいるのだが、絶対切断を組み込んだ斬撃は弾き飛ばされたのだから。全てを切り裂く一撃でも対抗策があるのか。一つ勉強になったな。


「ミユさん! コイツの相手は俺に任せてから街の住民を助けてに行ってくれない?」

 ドガルガルは強い。下手をすると、ミユを危険に合わせるカモしれないから離れていてもらおうとキリヤは考えた。守る余裕がないからだ。それだけ、キリヤはドガルガルを評価していた。



「えっ!? キリヤさんを一人残して行けれません! てか、俺って今言いました? こんな時に言う事じゃないけど、言葉遣いは直さないといけませんよ」


(おっと、としたことが、一人称は人前では俺から私に直していたのにな。癖が出てしまったよ)


「いや、いいよ。ミユさんは街の方を何とかしてきてくれませんか?……正直に言えば、ミユさんを守れるか分からないので、離れててもらえませんか?」

 この事は一応、本音だ。万が一にミユになんかあったら、目覚めが悪い。アリス達の母親だからな。友人の母親ぐらい守ってやりたいしな。

 もう一つの理由はドガルガルを倒した後に『捕食者プレデター』で喰えば、死骸は残らないから不自然になるからな。だから、喰らった後に逃げた事にすれば解決だが、その為に目撃者は居ては困る。


「例え、足手纏いでも良いです! 私の事は守らなくて良いですから! 同郷の……いえ、娘たちの友人を一人残して逃げれません!」

 やっぱり、ミユさんも良い人だ。

「そうだぜ! 逃げられると探すのに苦労するからその場で大人しくしてもらわないとな!」

 ドガルガルにとってもミユにはこの場に居てもらいたいらしい。


「そうですか、ミユさんの意思は分かりました」

「じゃあ、ここで一緒に闘わせてもらえるんですね」

 ミユさんが嬉しそうに呟くが、キリヤは無視し《分身》を一体創り出す。

「えっ!?」

「ほぉ~。そんな事も出来るのか」

 ミユとドガルガルも少し驚いて、キョトンとするが、分身はそのままミユを抱きかかえて、街の方に走り去った。この分身は中々の高性能ハイスペックなのだ。『光魔法』,『神聖術』,《空間把握》《縮地》《空中歩行》が可能なのだ。勿論、本物オリジナルには遠く及ばないがな。

 ミユに命を優先に動いてもらっている。


「キャァー!!」

 急に抱きかかえられて、高速で移動をさせられたからかミユは悲鳴を上げていた。

「しまった! 逃がさんぞ! 待ちやがれ!」

 一瞬、呆気を取られていたドガルガルだが、すぐに正気に戻りミユを追いかけようとした―――が。

「うわっ! イキナリか!」

 キリヤが素早く、踏み込んでから手に持っている剣でドガルガルの顔を切り裂く勢いで一閃する。


「ほぉ~う。流石は魔王の四天王の一人だな」

「ミユ・バーミリオンの捕獲よりもこっちの方が面白そうだな」

 バトルジャンキーな種族のドラゴンだからか、目的のミユの捕獲よりもキリヤとの闘いを選んだのであった。

 勿論、ミユを追いかけていればキリヤが後ろから《縮地》で追いつき、背中からバッサリと《絶対切断》で切り裂いていたのだから、最初から闘う事を選んだドガルガルの直感は優秀だったのだ。只、キリヤとの闘いたいという欲に敗けただけかもしれないが。



「それじゃぁ、邪魔者も消えた事だし続きを始めようかぁぁ!!」

 ドガルガルはさっきまで使っていた剣よりも遥かに巨大な剣を創り出した。さっきまで使っていた剣も人間サイズでは十分に大きかったのだが、今回のはそれを軽く凌駕するのだ。人型のドガルガルの身長は2メートルと少しだが、明らかに自分よりも大きかった。


「さっきまでより大きな剣にしたけど、どうかしたのか?」

 キリヤも剣を創り出す。剣は長剣ロングソードと呼ばれるぐらいの剣だ。

「さっきの斬撃の威力を考えるとコレぐらいの方が良さそうだからな」

 ドガルガルの『竜炎武装』で創り出す武器はかなりの高性能なのだ。性能自体で言えば、キリヤの『身体変換メタモルフォーゼ』で創る武器よりも上の性能である。

 しかし、それは当然とも云える事だ。なぜなら、能力スキルの根本が違うのだ。

 キリヤの『身体変換メタモルフォーゼ』は元々武器を創る為の能力ではない。身体の構造を変えたりが、メインであるのに対してドガルガルの『竜炎武装』は武器にしか作用しないからだ。

 ドガルガルは自分の創り出す武器の質の高さに高い誇りを持っていたのだ。ソレを破壊する程の斬撃を受けたので、剣を太く、より頑丈にするのも頷ける事なのだ。 


「そうか、じゃあ挨拶代りだぁ! 受け取れ!!」

 キリヤは剣を縦に思いっきり振るう。《絶対切断》の効果を織り交ぜた斬撃を放った。

「そう来なくてはなぁぁぁ!!!」

 ドガルガルは飛んできた斬撃に大剣を横に一閃した。すると、完全に斬撃が打ち消された。前回の様に弾かれたのではなくて、消されたのだ。ドガルガルの大剣に視線を向けてみたが、傷が少しあっただけだった。


「今回は我輩の勝ちのようだな!」

 ドガルガルはニヒと哂い、勝ち誇っていた。

「少しはマシな剣みたいだな」


(前回より力を込めていたのに破壊出来なかったとは……)

 口ではああ言ったが、あの大剣はかなりの高性能みたいだ。


「かなり良い大剣みたいだけど、当たらなくては意味が無いぞ」

 キリヤは分身を作成し始めた。数にして九体。本物オリジナルと合わせると十体だ。

「ッ何ィィ!? 一体以上も作れたのか!? 中々良い能力だな!」

 最初は目を見開いたが、すぐに冷静に戻り大剣を構える。この分身達は素早さをメインにしてある。そして、全員が《縮地》と《絶対切断》が使用可能であった。


「「「「「ワンサイドゲームに成らない様に頑張れよ」」」」」

 キリヤ達が一斉に話しかけながら、ドガルガルを囲む様に円状に包囲した。

「チッ! 骨が折れそうだなぁぁ!!」

 一斉にキリヤ達がドガルガルに襲い掛かった。



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