今後の予定。そして、出発
三日だと厳しいですね・・・
活動報告にて聞きたいことがあるので、見て頂けると助かります。
冒険者ギルドでギルドカードを発行してもらい、冒険者登録を済ませたキリヤは冒険者の説明を聞く。簡単に要約してみると、こんなもんだ。
一つ、ランクは、成功したクエストのポイントで評価される。二つ、ランクは上からSSS,SS,S,A,B,C,D,E,Fとなっている。三つ、クエストは、自分のランクの1つ上までしか受けれない。四つ、PTを組むと、一番ランクの高い人が基準になる。五つ、クエストを失敗すると、違約金を払わされる。六つ、ギルドの二階は、資料室になっていた。地下は、修練場になっていて、引退した、高ランク冒険者が教官として、指導してくれるそうだ。
「ご丁寧にありがとうございました」
キリヤは猫耳の受付嬢にお礼を言ってからその場を立ち去る。本当は依頼とか受けてみたかったんだけど……アリス達が居るので、今回はパスである。それに、金にも困っている訳ではない。
「次はアリス達が世話になってた教会に行くんだっけ?」
冒険者ギルドを出ると、キリヤは二人に確認を取る。
「はい。そうしてもらえると助かります。お世話になった人達に心配を掛けましたので」
「そうだね、私達にの所為で無関係な人達まで巻き込まれたもんね」
キリヤ達はこの街の教会まで移動する。徒歩で十分程の距離であった。
「ここです」
アリスの言葉通りに移動してから目的地の教会に到着した。
「ごめんくださ~い」
アリスが教会の扉を開け、中の様子を伺いながら声をかける。
「は~い」
少ししてから奥から若い女の人の声が聞こえた。
「本日はどの様なご用件で?」
「ここの神父様にお会いしたいのですが……」
アリスが代表として応対する。
「えっと……神父様は現在、体調を崩されていて、誰ともお会いできませんので、後日またお越しください」
三人は顔を見合わせる。想定していなかった出来事だった。
「アリス、エリスどうする? 後日来るか? それとも街を移動するか?」
「二日前までは元気でしたのに」
「神父様も御歳だからね」
ここでどうするか相談をしていると、シスターが驚く。
「ア、アリス様にエ、エリス様でしょうかッ!?」
キリヤは二人の前に一歩出てから話をする。
「もし、そうだったら何か? 名前を名乗る義務はないので黙秘させてもらいます。神父に用が合っただけだし、お暇させてもらうさ」
もし、邪神を信仰している奴等が残っていたら面倒だから名前は極力名乗らないように話し合っておいたのからだ。
「待ってください! 神父様にお会いしてほしいんです!」
キリヤ達が帰ろうとしたら、シスターが扉の前に先回りしてから両手を広げて止める。そして、話が噛み合っていない。
「ごめん、意味がわかんない。神父は体調不良なんだろ? だから、面会遮断しているんだろ? 」
「実は……神父様は鬱病なんです。自分の不甲斐なさで聖女様と使徒様を守れなかったらしく……」
「でも、この二人が聖女と使徒とは限らないぞ。貴女はその二人に会った事はあるんですか?」
シスターの表情は真剣だったから本当だと思うけど、念には念をって言うしな。
《キリさん、神父様とお会いしましょうよ》
《アリスか、俺はお前等が良いなら別に良いぞ》
キリヤとアリスはは念話で話を済ませた。
「私は昨日、ここに派遣されたばかりでお二人にはお会いした事はありません。
それでも、ここの神父様には昔からお世話になっていました……それなのに、今では聖女様と使徒様の名前を呼びながらうなされています 」
キリヤはエリスにアイコンタクトを入れる。エリスもそれに気づいたみたいで、頷いた。
「わかりました。お会いしましょう。二人もそれで良いな?」
二人が頷く。
「ありがとうございます。こちらです。付いてきてください」
(まぁ、元々神父に会いに来てたから問題は無いんだけどな)
キリヤ達はシスターの案内で奥の部屋に着く。
「神父様、体調はどうでしょうか?」
シスターが扉を開けながら、尋ねる。
「はい、今は少しだけですが、気分が良くなりました」
「それは、良かったです。それと、神父様にお会いしてもらいたい客人がおります」
「客人ですか? ……わかりました。ここに連れてきてくれませんか」
シスターは部屋の外で待機しているキリヤ達を呼ぶ。
「神父様、体調が優れないそうですね」
「身体は大切にして下さいね」
アリスとエリスは部屋に入ると一番に話しはじめた。
「なっ!? 二人とも!? ……良かった、本当に良かった」
神父は二人の姿を目にした途端、目から大量の涙を流す。
「ご心配をお掛けしました」
「でも、どうやって助かったんだい?」
神父は不思議そうに尋ねてきた。
「俺が二人を助けました」
二人が何って答えようか悩んでいたからキリヤが口を開く。
「失礼ですが、貴方は?」
「おっと、これは名乗りもせずに申し訳ない。俺はキリヤ・エルロードです。冒険者をしています」
(冒険者をしていますと言ったが、実際はさっき登録したばっかだけどな)
「そうですか、二人を救っていただき誠に感謝致します。
私は聖十字教会のアルフレガル支部の支部長をしている、ソヘンダ・ナースと申します」
この街はアルフレガルである。
それと、聖十字教会は聖十字教を信仰している。この世界の宗教ではメジャーな宗教だ。三大宗教の一つに認定されているほどである。
それから一時間程、世間話等をしてからキリヤ達は教会を出る。この事については他言無用と伝えておいたから多分、大丈夫だろう。
「これからの予定を確認したい」
キリヤ達はこれからの予定を何一つ、考えていなかった。
「そうですね、先に宿で部屋を借りましょうか」
「だね、ここ数日はキチンと休めれなかったしね」
確かにアリスの言う通りなので、宿屋を探す。宿屋自体はすぐに見つかる。
「いらっしゃい。お泊りかい? それとも食事?」
人の良さそうな三十代後半の女性が泊まりかどうかを訊ねる。
「三人で一泊お願いします」
アリスが三人を代表してから会話を担当する。
「三人で朝・夕食つきなら、2400Gだよ」
一泊800Gなのね。アリスは了承してからお金を鞄から取り出して払っていた。
「アリス、俺の分ぐらい出すよ」
「いえ、今回ぐらい私が出しますよ」
アリスの善意に甘えてから出してもらった。そのまま、部屋に案内された。
「こちらの三人部屋になります。お風呂を使用されるなら追加で100Gが必要になります」
店員のオバちゃんはそう言い終わると、業務に復帰しに戻った。
三人部屋か……今の身体は女だから、当然か。そして、思ったより文明が進んでいた。見た目が中世ヨーロッパだったから、電気とかあまり普及していないのかと思っていたが、部屋には電球が普通についている。正確に言えば、魔道具なのだが。魔道具とは、魔力を込めると使用が出来る便利な道具の事だ。お風呂もキチンとあるからな。元日本人としては風呂はなくてはならない物だ。
「さて、夕食まで時間があるし、色々と決めるか」
三人は話し合いを開始する。
「二人の実家に明日の朝一に送り届ければ、良いよな?」
「朝一に飛んで行くのは止めておいた方が良いと思いますよ」
アリスの言葉に首を傾げていると、説明をしてくれた。
「つまり、ですね。私達が誘拐されたのが二日前です。早馬で移動しても私達の故郷の『アイサーク』までは三日ぐらいかかります。意味は分かりますよね?」
キリヤはアリスの言葉を聞いてから納得し頷く。
「成程、移動が早過ぎるんだな」
飛行で移動をすれば、早く移動できるが説明が面倒だな。キリヤ自身は目立ちたくないと思っている。
飛行で移動するという案を却下してから馬車で移動する事になった。明日は準備期間という事で二日後に出発って事で話が纏まるそして、もう一泊することになった。
「話も終わったし、お風呂に行きたいな」
エリスの言葉を聞いたキリヤはチャンスだと思う。――――覗きじゃないぞ? アリスと二人っきりで話すチャンスだからな。注)キリヤは念話の存在を忘れています。
「エリス、お風呂に行きたいんだろ?行ってきていいぞ」
キリヤは100Gをエリスに手渡す。この宿屋の風呂場は小さい為に一人ずつしか入れない。
「わかった、一番に行ってくるね」
エリスはそう言い終わると、部屋を出て行った。
「これで、話せるな。アリスの身体はどうなっているんだ? 能力はどうなっているんだ? 何故、洞窟で教祖のオッサンが『召喚術』を持っている事を知っていったんだ」
アリスの神眼はキリヤが所持しているから使えない筈なのに。そして、アリスに神眼を発動しても何も視えない。
「それは、ね。私はキリさんの分身体だからキリさんの能力を使えて当然でしょう」
(マジで!? 分身体でも、確かに使えるが俺の指示がないと使わないぞ。やはり、自我があると自由に動けるんだな)
アリスの言葉にキリヤは凄く驚く。
「アリスは自分のステータスって見えるのか?」
分身にステータスがあるのかは知らないけどな。
「はい、見えますよ。キリさんも視ますか? 今なら、神眼を使用してくだされば、視えますよ」
キリヤは神眼を発動してからアリスのステータスを確認する。確かに、確認する事が出来たが、それを視たキリヤは驚愕した。
何故なら、アリスのステータスは……
ステータス
名前/アリス・バーミリオン
種族/上級魔人《クローン天魔人》
能力
通常/『剛力』,『飛翔』,『鑑定』,『杖術』,『槍術』,
稀少/『風流操作』,『聖気』,『神聖術』,『水魔法』,『光魔法』
固有/『癒しの光』,『天賦の才・智』,『身体変換』【制限】
伝説/『神眼』,『闇夜之暗殺者』【制限】
キリヤのステータスと被り過ぎだ。いや《クローン天魔人》って事だからキリヤと同じ能力なのかもしれない。何個か足りない能力があるのは何故かは知らないが。
(てか、《クローン天魔人》って何だよ。俺と同じ上級魔人のカテゴリーだし!
『身体変換』と『闇夜之暗殺者』の横に【制限】も意味分かんないし)
「アリスのステータスは理解したが、聞きたい事があるが良いか?」
キリヤはアリスに質問をしようと様子を伺う。
「はい、勿論ですわ。私に分かる事でしたら、どうぞ」
キリヤは疑問に思っていた事柄を聞く。
「能力に【制限】という文字は何だ? それと俺のスキルをコピーしている筈なのにいくつか不足しているのは何でだ? 」
「【制限】と言うのはそのままの意味です。キリさんの能力をそのまま全部コピーすると、負担が大きいので私と相性の良いものを厳選しました」
全ての能力をコピーすると、容量が大きいって考えれば良いのだろう。
「そこは分かったが……君は魔人なのか?」
アリスは一旦、口を閉じて悩む仕草を見せながら答える。
「ステータスを見る限り、そうみたいですね。身体変換のお蔭で身体は人間のソレと遜色ないと思いますけど」
キリヤ達が話し合いが終わると、エリスがお風呂から上がってくる。タイミングが良すぎる。偶然に俺達の話し合いが終わったタイミングで上がってきたのだ。
「いやぁ~良い湯だったよ。二人も行って来たら?」
「そうだな、俺達も行かせてもらおうか。アリス、先に行っていいぞ」
アリスは頷いてから、着替えを持って一階にある浴場に向かう。
「キリってさ、何で私達を助けてくれたの?」
何でか、最初は漫画の主人公みたいになりたかったからだ。漫画って言っても通じないし、適当に濁す事にする。
「困っている人が居たら助けるのが普通だろ」
キリヤはドヤ顔で言う。
「チキューって所だと普通なの?」
キリヤは冗談で言ったつもりだったけど、エリスが真に受けてしまった。
「いや、地球でも日本でも自分の事しか考えていない奴は沢山居るけどな。まぁ正直に話すと、この世界の事を教えてくれる人を探していたからかな。一般常識とかをイチイチ聞いていたら変だろ?」
これは一応、本心であった。主人公に憧れていたのも確かにあるが。
「フーン、そっか。でも、助けてくれてアリガトね」
「こうやって、改めてお礼を言われると、照れるなぁ」
それからエリスの話を聞く。聞いた内容はアリスの記憶からも分かる内容のものもあった。そんな感じでお喋りをしているとアリスが部屋に戻ってきた。
「じゃあ、俺も行ってくるわ」
キリヤはそう言い、部屋を出る。一階にある浴場に行く前に宿屋のオバちゃんに100Gを支払ってから向かう。浴場は本当に小さいものだ。一人で入るなら問題ないが、二人になると狭いレベル。
この世界にはキチンとボディーソープとシャンプーがあった。生活水準の高い事は嬉しい事だ。キリヤは身に着けている衣服を脱いでから浴場に入った。
この時にキリヤは初めて自分の裸体を目にする。自分で言うのもアレだが、中々の美少女だと思われる。確かに目を奪われる程の美少女だが、キリヤは自分の身体に欲情する程変態では無かっが……少し、目のやり場に困った。
身体と髪を洗い終わってから、浴槽に浸かった。髪がロングだと洗うのに時間が掛かるし、面倒だったけど日本人として風呂は譲れない。
約数十分してから浴場を後にする。キリヤが部屋に戻ると、アリスとエリスが姉妹水入らずで話し込んでいた。
「あ、キリさんお帰りなさい」
「キリ、おかえり」
二人に出迎えられて「ただいま」と返してベットに腰を掛ける。
「そろそろ夕食の時間かな?」
「それでは行きましょうか」
「そうだね」
夕食の時間が迫ってきたので、三人は一階にある食堂に降りる。
「これから夕食かい?」
店員のオバちゃんの問いに「はい」と答えると、オバちゃんが夕食を取りに行ってきてくれた。その間に近くの席に三人で座って待つ。すぐにオバちゃんが夕食を運んで来てくれた。
「それでは夕食にしましょうか」
アリスの言葉に俺も頷き「いただきます」と言ってから食事に手をつける。
「ねぇ、キリ『いただきます』って何なの?」
エリスがキリヤの方を見ながら、質問する。こちらの世界には「いただきます」の文化が無いのだ。キリヤが説明しようとしたら、アリスがキリヤの代わりに答えてくれた。アリスはキリヤと記憶を共有しているから知っていて当然か。
「え!? 何で、アリスは知っているの?」
エリスはアリスが知っている事に驚く。そこはキリヤが適当に誤魔化しておいた。エリスはアリスが魔人になってからキリヤと記憶を共有している事を知らないからな。一応、秘密にしていく方針になっている。
その後もてきとうに雑談をしながら食事を楽しんだ。ここの食事は普通に美味しかった。現代のファーストフードには無い美味しさであった。
食事を終えたキリヤ達は部屋に戻る。それから、アリス達の故郷―――アイサークの街やそれまでの道のりなども色々と聞いておいた。
アリスの記憶で知っているから必要ないと思われるが、アリスの記憶の情報は確かに頼りになるが、全てを一瞬で分かる訳ではないから。話で聞いた方が分かりやすいのだ。話を聞いていたら、頭の中に情報が浮かんでくるんだけどな。つまり、意識して探らなければならないのだ。
この世界には娯楽が少ない。漫画も無ければ、ゲームも無い。インターネットなんて電波すら無いしな。トランプぐらい欲しいと思う。アリスの記憶からの情報だとトランプはあるらしいが。何でも、過去の勇者が広めた物らしい。ナイス勇者。 てか、勇者がこの世界には居るとの事だ。流石ファンタジー。
明日、街で本でも探すしかないかな。勇者や英雄の冒険譚ならラノベ感覚で読めるかもしれないしな。
それから、時間が少し経つ頃に部屋の明かりを消してから床に就く。日本に居た頃では考えられない程に早い。時間にして21時ぐらいだ。この世界では夜にする事なんてないし、次の日の朝が早いから当然なのだろう。朝は日の出とともに始まり、夜は次の日に備えて早く休むのが常なのだろう。
翌日、外で鳥のさえずりが聞こえてから目を覚ました。朝チュンと云うやつか。 初めて聞いたぞ。キリヤが起きたときには既にアリスもエリスも目を覚まし、身支度を整えていた。
「キリさん、おはようございます」
「キリ、いつまで寝てるのよ」
この世界では朝が早い。キリヤも地球で比べたら、早い方だが、二人に比べたら遅い。
「ああ、二人ともおはよう。朝が早いな」
二人とも大した事ではないと云った感じに身支度を終わらせていく。キリヤは身体変換で服を変えるだけで済むから楽であった。昨日、街を歩いている時に周りの人の服装を観察していたから目立つ衣服にはしないが、とりあえず、冒険者っぽい服装にしておいた。一応、今日にでも服や装備を買っておくか。安物で別に良いしな。いざとなったら身体変換を使えば、問題はない。
その後に三人で一階にある食堂に降りて、朝食を頼む。三人が食堂に降りてくる頃には、けっこうな人数が居た。本当に朝の早い事だ。素直に感心してしまうほどに。
少し混んでいるのか、昨日より遅かったが食事を運んで来てくれた。それから、キリヤ達も朝食を頂く。食事の後にもう一泊する旨をオバちゃんに伝えてお金を支払ってから街に出る。今日の目的は移動手段の確保であった。
「なぁ、どこに向かうんだ?」
移動手段の確保な事は知っているが、どこで確保するかまでは知らない。
「商人ギルドまでですよ」
「そこでアイサークまで行く運行馬車に乗るんですよ」
冒険者なら護衛クエストで移動も多いらしいが、今回は普通に馬車での旅になる。そんなこんなで商人ギルドに到着する。
「大きいな。冒険者ギルドぐらいだと思ってた」
冒険者ギルドも大きかったけど、それよりも大きい。受付で『アイサーク』までの運行馬車を聞いてみた。定期便が二日後にあるらしい。定期便を三人分予約してから商人ギルドを後にしてから買い物を始める。
買う物は雑貨から装備まで色々と買った。キリヤは服を数着と武器やショートソードとナイフを一応購入した。アリス達も色々と買ったみたいだ。宿屋に戻る頃には夕方になっていた。時間の流れって早いな。
そして、宿屋のオバちゃんにもう一泊追加を頼んだのだった。
部屋に戻り、荷物の整理を済ませせ、三人はは順番に入浴しに行く。全員の入浴が済んでから夕食である。
夕食の済んだ後には部屋でトランプをしてから遊んでいた。大富豪やダウトといった遊びもきちんとあった。ルールが少し違うのもあったが、問題なく遊べるレベルであった。
次の日は一日中、暇なので各自で暇を潰すことになった。この街には少し小さいが図書館があるので、キリヤは行ってみた。過去の勇者について調べる為だ。ちなみに入場料が300Gだったが、満足できた。
閉館時間まで居た。まだ。調べたりないが図書館を出る。収穫はあまりなし。いくつかの国が勇者召喚の儀式をしていた事や勇者の偉業についてぐらいしか分からなかった。途中から、冒険譚しか読んでいなかったし。続きが気になったので、どっかの図書館で今度読もうと思うほどだ。
それから宿屋に戻る。二人は既に戻っていた。夕食前に入浴をすることにした。順番はエリス、アリス、キリヤの順番だ。キリヤは待つ間に宿屋の裏庭で昨日、購入したショートソードで素振りをしてみる。十分も経つ前に飽きてしまったが、根性で続けておいた。どうせ、待つ間暇だったし。いくらか時間が経った頃にアリスが来てから上がった事を教えてくれた。そして、キリヤも入浴を済ませる。
キリヤが部屋に戻ると、すぐに夕食の為に食堂に降りる。そのまま夕食を頼み、食べ終わると、部屋でトランプをしてから就寝。凄く、ダラダラとしていた一日だった。
翌朝、朝食を食べてから「アイサーク」行きの場所の乗合所に向かう。馬車は既に到着していたが、予定の時間まで待つらしい。そして、時間になってから馬車は出発する。
こうして三人はアイサークに向けて出発したのだ。