4章 総隊長命令(戦闘)
「影さんのその状態を見るのはお久しぶりです。なら私も本気出します」
「元々近接戦闘を得意とする人の言葉じゃないな」
俺は仮面の下で苦笑いしていた。
時空間にもし俺が飛ばされればそれはすなわち死を意味する。
そういった意味で奈緒ちゃんは近接戦闘の方が得意だし運動神経もかなり良く男子でも格闘技で奈緒ちゃんに勝つのは全国区でも難しいだろう。
時空間は頭の回転が良くないと使えないので裏をかいての攻撃も基本読まれてしまう。
奈緒ちゃんは俺が近接戦闘を仕掛けると見るや、小刀を時空間から取り出した。
ほんと厄介な相手だと思いながらも俺は一瞬で奈緒ちゃんの後方に周り
奈緒ちゃんの背筋に手を触れ力を放った。
「雷電」
手の平から雷をかなり広範囲に放出したので物理的には回避不可能だ。
雷の電圧は1500Vでちょっとでも触れればいくら力を使い受け止めても並みの人なら好くて心臓が止まり体が全身火傷だが、奈緒ちゃんは一切怪我なくこちらの攻撃を受け止めて更にカウンターを仕掛けてきた。
「どうしたのですか? 油断しすぎではないですか?」
俺は5メートル程後方に飛ぶ事で奈緒ちゃんのカウンターを回避した。
「成程。俺が体に触れた瞬間に俺の力だけを別の場所に受け流したわけか。確かにこれでは意味がないな」
いくら人と人とが触れ合っても服と手が触れ合ってもミクロやナノ単位で隙間が出きれば攻撃はすべて消される。
なら常に俺の支配化である武器での攻撃でしか奈緒ちゃんにダメージが与えられないなら剣で勝負するしかない。
「雷よ。我が右手に集まり剣とかせ」
俺は力の一部を使い雷を操り雷の剣を作った。
これなら時空間相手にも戦えるからだ。
俺は奈緒ちゃんの正面に高速で近づいて剣を振った。
しかし奈緒ちゃんは体を斜め後方に下げ剣をかわし小刀で俺を攻撃してきた。
俺は顔を付きさすように向かってきた小刀の付きを首を横に曲げそのまま体を無理なく動かして攻撃を回避しそのまま手首を捻り剣で奈緒ちゃんの胴体目がけて切りつけた。
奈緒ちゃんは咄嗟に左手に小刀をもう一本素早く手元に呼び込むと俺の放った剣と自分の胴体の間に刃を入れ体を守った。
外傷は見えなかったが奈緒ちゃんは吹き飛ばされたまま地面から立ち上がってこない。
「しまった。さすがは影さんですね。我々星屑にとって任務は絶対です。私を殺してくれて構いません」
奈緒ちゃんは生きることを諦めたように下を俯いたまま涙していた。
さっきの俺の斬撃を受け止めた際に剣から小刀へ、小刀から奈緒ちゃんの体に剣が纏っていた電流が流れて体が思うように動かないのだ。
「殺す前にお前に一つ聞きたいことがある。お前何故総隊長の娘さんから略奪愛をした。部隊長ともなれば最悪こうなることはわかっていただろう?」
俺は冷たい口調で奈緒ちゃんに質問した。
しかし返ってきた答えに俺は少し驚きを覚えた。
「私が本当に好きなのは風雅君ではないんです。風雅くんは一つ前の総隊長息子さんなんです。だから私は風雅くんにはさからえないいんです。私が本当に好きな人は別にいます。」
確かに総隊長は3~5年で変わるが奈緒ちゃんに他に好きな人がいたのは意外だった。
もしこのまま情に流され奈緒ちゃんを殺さなければ今度は俺が殺されるかもしれない。
でも奈緒ちゃんに後悔しかない人生だけを歩ませるのは中々に残酷だ。
「そうか。なら風雅と別れろ。それでお前の未来はお前が決めろ。総隊長には高橋奈緒は風雅との別れを宣言したため処断を中止したと報告する。」
そして小山と戦っていた部下を呼び戻して俺は基地へ戻った。
多忙なため不定期更新です。




