3話:【番外】 Side 桜歌《おうか》罪と処刑と約束
「う~んと、やっぱり許してくれない?」
大鎌を持った女にそう懇願してみる。
「許すものか。貴様は我々の大切な物を奪ったのだからな」
一応聞いてみたけどやっぱりダメかぁ。
「盗られるようなずさんな管理の方に問題があると思うんだけどなぁ」
「ふ、耳が痛い話だな。
──で、殺メはどこだ」
「残念だけど、あればもう舞桜を選んだわ」
「…何?」
私の言葉に一気に険しい顔になる女。
「......いや、それはまた後で考えるとしよう。
いまの私の仕事は貴様を処刑すること、それだけだ」
「仕事人ねぇ。正直、嫌いよ。昔の私を見ているようだもの」
「先代日巫女、桜木桜歌。貴様を議会の判決により処刑する」
「...えぇ、分かっているわ。でもこれだけは約束して、あの子には、舞桜には手を出さないって」
まぁ、あの子が殺メを持っている以上手は出せないでしょうけど。
「少なくともこの場では殺さんと約束しよう。私の目的はあくまで貴様を殺すことだからな」
「そう、なら良かったわ」
死を覚悟して大きく両手を広げる。
「さぁ、いつでもいいわよ」
「......残念だ。貴様を殺すことになるのはな」
***
番外の方までお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
「百鬼夜行」は、本編『緋眼の舞姫』の中でも
ずっと書きたかった“舞桜の原点”のひとつです。
舞桜がどうして「好き」という言葉を封印してしまったのか、
少しでも伝わっていれば嬉しいです。
本編では、この夜から少し時間が経ったあとの舞桜たちが、
除霊高や東京の街で、日常と戦いのあいだを生きています。
よろしければ、そちらものぞいてもらえると嬉しいです。
今後も、過去編や日常編など、
舞姫まわりの外伝も少しずつ増やしていけたらと思っています。
またどこかでお会いできたら、そのときはよろしくお願いします。




