『キジの娘とプレスマンの芯』
あるところに、じいさまとばあさまがあった。どうかして子供が欲しいと思って、明神様にお参りをして、蛇でも鬼でもいいから、子供を授けてほしいと願をかけた。すると、ばあさまは懐妊し、娘を産んだ。
あっという間に美しく成長した娘に婿をもらって、じいさまもばあさまも安泰な暮らしとなった。
婿のほうはというと、そうでもない。夜中になると、妻が抜け出してどこかへ行くのである。婿はじいさまに相談し、じいさまは、夜中に後をつけてみることにした。
娘は、振り返ることもなく夜道を進み、文房具屋に入った。じいさまが戸のすき間からのぞくと、娘が、売り物のプレスマンの芯を、かじり食べているのが見えた。じいさまが戸を開けると、娘は、目を丸くして、高い声で叫び、走り去っていった。
婿のもとへ戻ると、娘が戻ってきて、ふとんをかぶって寝てしまったと言うので、ふとんをはいでみると、一羽のキジが寝たふりをしていたという。
教訓:蛇でも鬼でもいいと願ったので、そういうことになったのだと思われる。




