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第3章 再起動

「ただの“やり直し”じゃなかった。

“今度こそ、どんな自分になるか”を決めることだった。」


血と涙、

そして真実のすべてを越えたあとに――


残された道は、ひとつだけ。


前へ進むこと。

朝の光が木々の間から差し込み、

湿った大地に黄金の光を描いていた。


その夜明けは、これまでのどれとも違っていた。

それは――再誕だった。


リュウガは、現代的な黒いジャケットを手にしていた。

耐久性のあるパンツ。補強されたブーツ。

彼の世界とこの世界の“中間”のような服装。


セレステは白地に金の縁取りのブラウスを整え、

再生された腕にはブレスレットが。

足元には、高めの戦闘用ブーツ。


「今日が始まりの日だ」リュウガが言った。


「置いていかれたくないの」セレステが決意の笑みを見せた。


彼らには、この世界を理解する必要があった。

その政治、歴史、構造――


村々を訪れることは、避けられない。


リュウガは青い光を呼び出した。

そこから現れたのは、改造された“現代風の乗り物”。


「それ……何?」


「ブレイザーモーター。僕の世界のもの。だけど……改造してある」


二人は乗り込んだ。

エンジンは静かに唸りを上げ、

未知なる地へと進んでいった。


――数時間後。


果樹園と畑に囲まれた村に到着。


子供たちの笑い声。

焼きたてのパンの香り。

商人たちが香辛料を元気よく売っていた。


「……きれい……」セレステがささやいた。


広場には掲示板。


「冒険者募集中

連絡先:カグヤ

報酬保証あり

※注意事項あり」


一人の冒険者が彼らを見て、真剣な表情で言った:


「その女……危険だ。

彼女と組んで生きて帰った奴は少ない」


彼らが答える前に、鋭い声が空気を裂いた。


「噂ばかりを信じるな」


ピンクの髪。赤い瞳。

改造された着物。腰には短刀。


「カグヤ・ニシムラよ」


彼女はリュウガを見つめ――

そしてセレステの金の腕を見た。


何も聞かなかったが、すべてを見ていた。


「仕事がある。興味ある?」


二人はためらいながらも――笑った。


「その任務、詳しく聞かせてくれ」リュウガが言った。


「ついてきなさい。詳しくは中で話す」


冒険者ギルドは頑丈な木造の建物で、

交差する剣と盾のエンブレムが掲げられていた。


中は――混沌と絆の空間だった。


「あなたが見せてくれたアニメみたいね」セレステが笑う。


「まさに思い描いてた通りだ」リュウガも笑った。


カグヤが二人に銅色のカードを渡す。


「冒険者ランク:銅」


「ランクはいくつあるの?」


「八つ。鉄、銅、銀、イリジウム、金、パラジウム、プラチナ、ロジウム。

依頼をこなせば、ランクアップできる」


カードを登録し、

狼の皮を提出。


報酬は銅貨300枚。


受付嬢が説明する:


「銅貨100枚で銀1枚。

銀100枚で金1枚。

その先も同じ換算です」


リュウガは硬貨を収納。


「インベントリ、起動」


セレステが微笑む。


「やっぱりゲームみたいね」


ギルドの外で、カグヤが待っていた。


「さあ、初任務の準備はいい?」


「準備万端だ」リュウガが答える。


「最初の選択、最初の一歩ね」セレステが続けた。


掲示板には――


「西の峠のゴブリン討伐」

【ランク:鉄】


「簡単に見えるけど、油断すれば死ぬわよ」カグヤが忠告する。


セレステは別の依頼にも目をやったが、うなずいた。


「いい出発点だと思う」


「異論なし」リュウガも頷いた。


正式に依頼を登録。

装備を整える。


太陽は輝き、

風が吹き、

足音が大地を鳴らした。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

冒険が、始まろうとしていた。

だが、それはただの任務ではなかった。


それは過去の残響――

そして未来への鍵。


何かが潜んでいた。

彼らの魂に封じられた“何か”が――


いま、目覚めようとしていた。

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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