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第242章 ― 間一髪の到着

帝国の巨獣が大地を揺らすたび、戦場はそのたびに崩れた。

鋼で覆われたその両腕は、まるで生きた大槌。

中央の眼は闇のエネルギーを宿し、放たれる一撃ごとにダイヤモンド・タワーの壁が砕かれていく。

スティルやアンドロイドたち、戦士たちの奮戦にもかかわらず、巨体の進撃は止まらなかった。


「もう持たねぇぞッ!」

血塗れのハンマーを振るいながら、グレイオが叫ぶ。


王子アルサは歯を食いしばり、後退する兵たちを見つめた。

「……あれが壁を突破すれば、塔は終わる」


そのとき、鋼の巨獣が吠えた。

金属の咆哮が戦場を雷鳴のように揺るがす。


だが次の瞬間――


地面に魔法陣が浮かび上がり、光るルーンが閃きながら拡がっていく。

大地が震え、その中心から一つの影が現れる。

青白いオーラに包まれ、戦場に光をもたらすその姿。


現れたのは、アリス形態のアン。

だが、今の彼女は人のサイズではなかった。

心臓の鼓動と共にその身体は膨張し、髪は光を孕んだ滝のように揺れ、緑の瞳は決意に満ちて輝いていた。

数秒のうちに、彼女の体躯は巨獣と同じ高さにまで達する。


鋼の巨獣が咆哮で応じる。

だが、アンは一歩も引かず――その声は雷のように戦場を揺らした。


「――間に合ったわよ!」


その言葉と共に、空気が震える。

撤退していた兵士たちは立ち止まり、空を仰ぎ、そこに現れた“希望”に目を見張る。

巨獣は首を動かし、分析するように巨大な眼でアンを捉える。


アンは不敵に微笑んだ。

その声が前線すべてに響く。


「この巨獣は私が抑える! みんなは塔を守って!」


その瞬間、アンは跳んだ。

巨体での跳躍が地を割り、振動が戦場全体を襲う。

その足が地面を叩きつけたとき、巨獣すらよろめくほどの衝撃が走った。


そして彼女は、変身によって巨大化した魔法の剣を構え、敵の胸に輝くコアをまっすぐに指差した。


――決戦は始まった。

巨大な“アリス”と、帝国の鋼の怪物。

塔の運命を懸けた一騎討ちが、いま幕を開ける。

物語を楽しんでくれた皆さんへ――


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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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