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第238章 ― 収束

空が赤い閃光に染まり、戦場を揺るがす轟音が響き渡った。煙と炎に包まれたガレオンが急降下し、平原に墜落。地平線を覆うほどの砂塵が舞い上がった。


遠くで、ヴォルテルの英雄たちがその墜落を目撃していた。


レンジ・タカハラは刀の柄を強く握り、着弾地点をじっと見据えた。

「この船……今まで見たどれとも違う」


シラサワ・ミユキは杖を握りながら、背筋を冷たいものが走るのを感じた。

「理由は分からない……でも、心があそこへ行けって叫んでる」


仲間たちは目を見合わせた。迷う者もいれば、すでに武器を構える者もいた。

ついにレンジが、揺るぎない声で言った。

「行くぞ。もしあれが帝国の兵器なら、破壊する。他の何かなら……真実を確かめる」


彼らは迷わず、煙の中へと走り出した。


一方、その近くでは救出部隊もまた、焦るように前進していた。


忍犬の姿となったカグヤは、灰に染まる空気を丹念に嗅ぎ取っていた。

「近い……リュウガの匂いがどんどん濃くなってる」


九尾のハルはエネルギーに揺れる尾を揺らしながら、眉をひそめた。

「私たちだけじゃない。誰かが、急いで向かってる……でも帝国兵じゃない」


ウナキータの鎧に包まれたセレステは、手を挙げて二人を止めた。そのクリスタルは、塔の鼓動と同調するかのように光っていた。

「ということは、他の誰かも墜落を見たということ。もし彼に触れる者がいれば……私は全力で排除する」


カグヤは牙を剥き、低く唸った。

「誰であろうと関係ない。リュウガは私たちのリーダー。奪わせはしない」


運命は、彼ら全員をひとつの地点へと導いていた。


ヴォルテルの英雄たちは茂みをかき分け、まだ空を覆う砂煙の中を駆け抜ける。

救出部隊は影のように素早く、同じ側面から斜面を駆け降りていた。胸の中には、ただリュウガを救いたいという一心だけが燃えていた。


そして、クレーターの中心――ガレオンの燃え残る残骸の中に、リュウガの体が横たわっていた。血と埃にまみれ、意識はない。


最初に彼を見つけたのはミユキだった。杖が手から滑り落ち、目には涙が溢れていた。

「リュウガ……!」


同時に、セレステ、カグヤ、そしてハルが煙を突き破って姿を現す。武器を構え、その瞳には怒りの炎が宿っていた。


二つの集団が、リュウガを挟んで対峙する。


空気は張り詰め、誰もが知っていた。

この瞬間が、絆を結ぶ始まりとなるのか、それとも新たな敵を生む導火線となるのか。

読んでくれてありがとうございます!

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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