第234章 – 戦場の声
ダイヤモンドの塔を囲む戦いは、鋼と魔法、そして炎の渦となっていた。
リュウガは行方不明のままだが、彼の魂は仲間たちの中に確かに生きていた。
アンは「塩の姫」の姿で、敵の砲撃を跳ね返す結晶の壁を保ち続けていた。
その壁にひびが入るたびに、彼女の意志で修復される。
—「通さない!私が生きている限り、この壁は崩れない!」
その隣で、アジア格闘スタイルのアイオが、稲妻のような蹴りで帝国兵の隊列を切り裂いていた。
身体はエネルギーのルーンで輝き、力が倍増している。
—「塔が欲しければ、まず私を倒してみなさい!」
北の翼では、ウェンディが一瞬たりとも休まず、リュウガのプリズム技術と医術で、壁上に即席の治療所を作り出していた。
—「ここを押さえて!傷が深いけど、まだ助かる!」
隣でアズは安定化フィールドを展開し、パールは軍指揮官のように負傷者の移動を指示していた。
—「患者、安定しました。次へ移ります」アズは冷静に報告する。
—「誰一人取り残さない、今日は誰も死なせないわ!」ウェンディは怒りにも似た声で叫ぶ。
空では、スティアが〈崩壊の巨兵〉と交戦中。
彼のロケット砲が唸り、炸裂するたびに、巨兵の装甲が剥がれ落ちる。
—「かかってこい、この鉄屑野郎!」
巨兵が反応し、暗黒のビームを放つが、スティアは空中で回避し、反撃の一斉射撃で夜空を隕石の嵐のように染めた。
西の側面では、ヴォルテルの英雄たちが独自の任務を遂行していた。
高原レンジは先陣を切り、日本刀のごとき剣で雷のように敵を切り裂く。
—「魔力供給の術師を倒せば、〈エクリプス〉は撃てない!」
巫女ミユキは光の結界で敵の視界を奪い、震えながらも必死に支援を続ける。
—「私が後ろを守ります…進んでください!」
彼らの仲間もそれぞれの武器と戦法で戦い、もはや迷える学生ではなく、“英雄の卵”として全力を尽くしていた。
そして後方では、ヴェル、リシア、ヴィオラが依然として包囲網の中で戦っていた。
彼女たちの魔法とテクノロジーは、全軍の希望の光となっていた。
戦場はまさに混沌そのもの。
しかし、戦火の轟きの中で、誰もが確信していた。
リュウガは独りではない。
彼の遺志は、皆の中に、熱く、強く、生き続けているのだ。
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