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第230章 ― ガレオンの墜落

秘密の通路は、廃墟に覆われた開けた場所へと続いていた。

アイオ、ヴェル、リシア、ヴィオラは息を切らしながら姿を現し、武器を構えた。

だが、そこにあったのは自由な道ではなかった。


――無数の黒い矢が、空から降り注いだ。


「待ち伏せだ!」

リシアが叫び、光のバリアを弓で張る。


丘の間に潜んでいたイアト帝国の軍勢が、咆哮と共に突撃してきた。

槍、剣、魔法騎兵――闇のような軍勢が前方を塞ぐ。


アイオはリボルバーを抜き、ヴェルを援護するように発砲。

ヴェルはサーモンピンクの光を放つ槍を横薙ぎに振るい、道を切り開いた。

ヴィオラはプリズムエネルギーを放射し、敵の小隊を一掃した。

だが、敵の圧力は凄まじい。


その様子を、ガレオン艦上からプリズムセンサーで見ていたリュウガは、呼吸を荒くした。

「くそっ…囲まれてる…!」


ウェンディが駆け寄り、彼の腕を掴んだ。

「リュウガ、ダメ! 一人で行ったら危険よ!」


彼はそっと彼女の手を外し、揺るがぬ眼差しで言った。

「もし彼女たちが死ぬのをただ見ているなら、俺はその資格を失う」


通信にセレステの声が割り込む。

「リュウガ、聞いて! 今突っ込んだら罠よ! エクリプスはまだ充電中。奴らはあなたを焦らせようとしてるの!」


カグヤも叫んだ。

「バカな真似しないで、マスター! これ、どう見ても囮だよ!」


だが、リュウガはコントロールパネルに拳を握りしめ、静かに言った。

「今、彼女たちが俺を必要としてる。リスクは俺が決める」


ガレオンは鋼鉄の竜の如く咆哮しながら急降下を始めた。


――その瞬間、空が暗転した。


巨大な魔法陣がガレオンの前に浮かび、その中から2つの影が姿を現す。


皇帝と将軍ヴァルダー。


「子供たちを救いに来たか」

皇帝は真紅のエネルギーを帯びた杖を掲げる。


ヴァルダーは黒炎に包まれた剣を構え、不敵に笑った。

「ならば、共に死ね」


2人の力が融合し、紅と黒の雷が天地を裂く裁きの如く放たれた。


――直撃。


「リュウガッ!」

通信越しにウェンディの悲鳴が響く。だが、すぐにノイズが全てをかき消す。


セレステが必死に通信機を操作する。

「応答して、リュウガ! 聞こえる!? 答えて…!」


カグヤはコンソールを殴り、怒りに震える。

「ふざけるなよ…こんなのって……!」


ガレオンは火炎と煙に包まれ、爆風と共に平原へと墜落した。

通信は完全に途絶える。


静寂。


戦場の音はまだ鳴っているはずなのに、

仲間たちにとってその一瞬は、世界が呼吸を止めたかのようだった。

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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