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第225章 ― 鋼鉄の気晴らし

空が震えていた。

破滅の巨像の一歩ごとに大地は軋み、帝国のルーンを刻んだ鋼鉄の腕が小さな望楼を粉塵に変える。

その度に弓も呪文も、すべては山のような装甲に火花を散らすだけだった。


「このままじゃ持たない、エクリプスと同時には無理だ!」

ヴェルが叫び、青白い矢のシリーズを放ったが、巨像はわずかに向きを変えるだけだった。


アンとアイオは血を流しつつも鋼鉄のおもちゃの軍勢を抑え、前線を守っていた。

それでも呼吸は重く、疲労の影が顔に刻まれていた。


その時、リュウガが一歩前に出る。

砂埃と血にまみれた鎧だが、その瞳だけが冷たい決意に光っていた。


「正面からじゃない。気をそらす!」


リュウガは手を掲げ、籠手の封印を発動させる。

遠くで機械の咆哮が応え、ギャレオンが目を覚ます。


武装した砲門が金属の竜の如く展開され、塔の上から味方は固唾をのむ。


「砲門!準備を!」

スティアの声が通信を震わせ、

パールが狙いを定め、クリスタルがプリズムの力を注入する。


その瞬間、轟音が戦場を切り裂く。

ギャレオンが一斉射撃を放ち、プリズムの光と魔法のミサイルが雨となる。

巨像の装甲が裂け、青と赤の爆炎が咆哮のように舞う。


ヴェルが弓を掲げて驚嘆する。


「やった!反応した!」


アンが前へ踏み出し、息を切らしながらも満足げに笑う。


「見たか、これが機会だ……リュウガ、やったな!」


リュウガは頷き、巨像を睨む。


「目標を持たせた。今だ……首席魔導師を叩かなければ、エクリプスはまた吠える!」


ギャレオンは旋回しながら砲火を浴びせ、

巨像は黒い稲妻を放って追撃する。


帝国兵ですら戦意を失い、動きを止めるその中で、リュウガは理解していた。


「これはただの囮……しかし、我らの時だ。」

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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