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第224章 – 最初の一撃の代償

ダイヤモンドの塔の上空には、黒煙がまだ立ち上っていた。崩れ落ちた外壁の一部は、まるで開かれた傷のように輝き、その亀裂一つ一つから光の結晶が涙のようにこぼれ落ちていた。

エクリプス(蝕)の一撃は、要塞の奥深くまでも震わせていた。


敵陣では、大砲がなおも煙を上げていた。暗黒のプリズムはゆっくりと脈打ち、首席魔導師によって供犠された命のエネルギーを吸収していた。

帝国の兵士たちですら、あの兵器がすぐには再び撃てないことを本能で理解しているかのように、防御陣を崩さずにいた。


「再充填には時間がかかる……」

アルウェナがクリスタルの魔導投影を見つめながら低く呟いた。

「でも、もしもう一度撃たれたら……今度こそ終わりよ。」


天体の中庭では、今もなお痛みの叫びが空気を満たしていた。

ウェンディとアズは負傷者の救護を続け、パールは軍隊のような正確さで避難経路を整理していた。


リュウガは、兵士の一人を安定させたあと、ゆっくりと立ち上がった。服は埃と血で汚れ、顔には疲労が刻まれていた。


「被害は大きいが……致命的じゃない。塔はまだ立ってる。だが次を許せば、終わる。」

彼は低く呟いた。


カエラン王子が近づき、戦いで傷ついた鎧を鳴らしながら尋ねた。

「リュウガ、本当のところを聞きたい。二撃目を受け止める力は……あるのか?」


リュウガは沈黙し、遠くに光る暗黒のプリズムを睨んだ。

そして静かに答えた。


「ない。……撃たれたら、塔は崩壊する。」


ヴェルは歯を食いしばりながらも、弓を力強く構えた。

「だったら……撃たせなきゃいい。」


アンは白く破れたテコンドーの制服を着たまま、額から血を流しながら立ち上がった。


「コロッサスも、あの砲も……正面からじゃ無理。策が要るわ。」


アルウェナが素早く地図を指し示す。

「エクリプスは再充填に時間がかかる。それが唯一の隙間。精鋭部隊が首席魔導師のもとへ到達して、チャネルを断てば……あの大砲は沈黙する。」


リュウガは目を閉じ、魔眼で戦場を見渡した。

力の流れは、まるで黒い根のように、あの砲に向かって伸びていた。

そして彼は目を開き、戦術の炎を宿した声で言った。


「だったら、直接叩く。塔がコロッサスを引きつけている間に、選ばれた部隊が魔導師を倒す。」


砕けた壁の隙間から冷たい風が吹き込んだ。

全員が、その決断が意味するものを理解していた──命を懸ける覚悟。


だが、その重苦しい沈黙の中、ウェンディの声がはっきりと響いた。


「破壊しか知らない者がいるなら……私たちは救うことで応える。私は、それを信じて戦う。」


アズが隣で静かに頷いた。

その機械音声に、かすかに温もりが宿っていた。


「確認完了。任務:味方生命の保護。承認しました。」


リュウガは剣を高く掲げ、砕けたプリズムの光がその刃に反射した。


「全員、準備を。エクリプスは……二度とは吠えさせない。俺たちが立っている限りは。」

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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