第219章 ― 防衛の布陣
〈蒼天の中庭〉は、命令の声、魔力の振動、そして兵士たちの足音で震えていた。
エレオノーレの援軍が到着したことで、ダイヤモンドの塔はまさに“生きた要塞”へと変貌していた。
指令室の中央に立ったリュウガは、
空中に浮かぶ光の地図を投影し、全軍に向けて声を上げた。
「よく聞け。イアト帝国がここへ来たのは、脅しのためじゃない。
——“抹殺”のためだ。
だから一人ひとりが、自分の持ち場を最後まで守り抜け。」
カエラン王子が腕を組みながらうなずいた。
「ならば言ってくれ、リュウガ。俺たちをどこに置く?」
光のマップが展開され、戦場がいくつかのセクターに分割される。
東側戦線(衝突抵抗ライン)
ヴェルとエレオノーレの氷弓兵部隊
冷気の矢で敵歩兵を減速・凍結させる。
リシアの転送矢
敵を罠の位置へ送り込むことで、戦場を操作。
カエラン王子率いる軽騎兵隊
敵の突破箇所へ迅速に対応・突撃する主力。
(帝国歩兵の主力圧力が集中する最前線)
西側戦線(魔法制圧ライン)
ウェンディ〈太陽形態〉
炎の壁を展開し、投射物を消滅させる。
クロ〈プリンセス形態〉+戦鎚モード
白兵戦での突破・敵魔導士排除担当。
アルウェナ指揮下のエレオノーレ魔導砲兵隊
広範囲魔法の連携によって、カタパルト部隊を無力化。
(イアト帝国の重砲と攻城兵器が集まる側)
中央核セクター(防衛の心臓部)
リュウガ+アンドロイド部隊(クリスタル、パール、アズ、ナヤ、ヴィオラ)
プリズムシステムを通じて反射防御、集中砲火、支援射撃を担当。
スティア(機械兵巨人)
中央の機動火力・接近殲滅担当。
アルタ王子+塔の槍兵部隊
核の護衛、防衛の最終防壁として展開。
(〈破滅の巨像〉および〈エクリプス〉の砲撃に最も晒される要所)
空中&外周部隊(反応・迎撃ライン)
アン&アイオ(高機動空中支援部隊)
素早くどこにでも駆けつける機動防衛の要。
セレステ〈プリズム・プロトコル形態〉
大規模魔法を吸収・反射するシールド中核。
エレオノーレの飛空騎士隊
召喚獣・飛竜などの空中脅威への即応部隊。
(〈エクリプス〉の攻撃魔法、奇襲、空中からの侵攻に備える層)
リュウガが手を下ろすと、光の地図は消えた。
彼の目は、集まったすべての者たちをしっかりと見据えていた。
「——これが、我々の“壁”だ。
一つが崩れれば、全てが崩れる。
だが共に持ちこたえれば……“黒き太陽”ですら、我らを消し去ることはできない。」
沈黙が一拍だけ支配した。
そして——
次の瞬間、それは轟音となって爆発した。
兵士、魔導士、アンドロイド、騎士。
すべてが一つの声で咆哮した。
その間にも、〈破滅の巨像〉は次なる砲撃をチャージし、
〈エクリプス〉の黒い光は、月のように妖しく輝きを増していた。
だが今——
ダイヤモンドの塔の防衛陣は、すでに動き出していた。
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