第204章 最後の防衛線の準備
核の輝きは、まるで水晶の心臓の鼓動のように脈打っていた。
塔は生きていた。千の光を反射する廊下、遺物が眠る部屋、迷宮のように変化する通路。
外では、帝国の太鼓の響きが一層強くなっていた。中では、彼らが集結していた。
リュウガは塔の中央ホールに立ち、揺れるマントと光る視界のまま、仲間たちに向き合った。
アーサとグレイオは地図と遺物を前に協議中。
周囲では英雄たちが武器を磨き、傷を縛り、魔法を復唱していた。
侍女アンドロイドたちは休むことなく動いていた。
クリスタルはホログラムの設計図を投影し、アズは戦術ルートを再計算。
リーフティは装備を準備、パールは浄化バリアを確認し、ナヤは毛布と物資を配り、ヴィオラは監視に徹していた。
リュウガは口を開いた。
「核の警告は…冗談じゃなかった。ヴァルダーは全面侵攻を仕掛けてくる。
ダリウスが先陣を切る。
我々がすべきは、一点集中の戦いではない。選び、削り、耐えることだ。」
アーサは首にかけた母の鍵を握り、言った。
「この塔は私に開けるよう求めた。
奪われることは許されない。私の命であろうと、差し出す。」
グレイオは怒りに拳を叩きつけた。
「すべて鍛えてやる。槍も、刃も、罠もな。
連中が何を持って来ようが、鉄の顎を粉砕してやる!」
リュウガは頷き、明確に指示を出した。
配置戦略(要約)
1) 正門・中央広場 – スター&パール + 重騎兵部隊
スター:重火器で敵第一波を迎撃。
パール:浄化バリア&キネティック防壁で機械部隊を止める。
ハル(Wind Chaser)&ブルナ(Motor Blazzer):空中・高速迎撃担当。
グレイオ:爆発トラップ設置。
2) 北側通路 – アン&アイオ
アン:塩の結晶壁で敵隊列を分断。
アイオ:ゲリラ式の分断戦で兵力を削る。
3) 東通路(遺物守備)– クロ&セレステ(控え部隊)
クロ:遺物の防衛と魔力無効化。
セレステ:最終攻撃時の一撃を温存し、核の間で待機。
4) 上層プラットフォーム – ウェンディ、リリア、リサ
ウェンディ:太陽の炎で上部からの奇襲を阻止。
リリア&リサ:側面と死角の警戒。
5) 補給・鍛冶・整備 – グレイオ、アーサ、リーフティ
武具補充、資源動員、避難支援の準備。
6) 情報・偵察・撹乱 – ヴィオラ、クリスタル、アズ
偽ホログラム設置、暗号通信、敵進行経路の撹乱。
7) 民間人・子供の保護 – パール、ナヤ、アンドロイド達
地下保護区に誘導。生命維持システム、緊急転送を維持。
特別準備
罠:床の水晶と塩の罠を設置(敵の機動力を封じる)。
遺物の使用:アーサが防衛用に3種の遺物を許可:
反射の槍、古代の盾、渦時計(時空減速装置)
通信ノード:敵味方識別のためホログラムネットワークを構築。
避難準備:高価な遺物をルーンの箱へ移送準備済み。
最後の確認
リュウガは静かに一人ひとりを見渡し、命じた。
「スター、パール、正面を死守せよ。アイオとアン、敵を分断しろ。
クロ、核を守れ。そして…セレステ、お前に復讐の重みは背負わせない。
一緒に戦う。」
セレステは泣きながらうなずき、ウェンディが彼女の手を強く握った。
やがて日が落ち、各部隊が持ち場へ散った。
少年たちは地下に隠れ、門が閉ざされる。
リュウガは最後に全員へ告げた。
「今夜が鍵だ。ダリウスはまず探りを入れてくる。
ヴァルダーの本命は、その後だ。冷静に戦い、団結し、
何より――民を守れ。塔が落ちれば、希望も落ちる。」
武者たちは静かにうなずいた。
アーサは彼の手を握り、最後の信頼を託した。
リュウガは遠くを見た。
帝国の煙が空を覆っていた。
「持ち場へ――防衛を開始せよ。」
扉が閉まり、金属の音が響く。
塔の核で子供たちは息を潜める。
そして静かに、最後の防衛線が整った。
塔は、まだ生きていた。
だが、戦火の始まりはもう――目の前にあった。
こちらこそ、読んでいただきありがとうございます!
絵文字、コメント、 評価など、どれも励みになります!
物語がもっと遠くまで届くように、ぜひあなたの力を貸してください。
これからも応援よろしくお願いします!