表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
179/324

第173章 ――折れぬ意志

融合したリサンドラの咆哮が、広間の隅々まで震わせていた。

歪んだ玩具で構成されたその体は、まるで突破不可能な壁。


割れたガラスの光を浴びて、茶色の髪を輝かせながら、アンは静かに目を閉じ、両手を床に触れた。


――「育て……そして彼女を止めて!」


木製ブロックの床から、緑の輝きを放つ根や蔓、光の花々が生まれた。

まるで生きたジャングルのように伸び広がり、リサンドラの怪物の腕を絡め取り、その動きを封じた。


「アイオ、今よっ!」

涙を浮かべながらアンが叫ぶ。


アイオは跳躍し、カポエイラの舞いのように空中で回転した。

ターコイズとゴールドに輝くその衣装は、まるで天の舞姫のよう。


――「プリキュア・カポエイラ……インパクトスター!」


その脚は彗星のように光を帯び、魔力の閃光をまとって蹴り下ろされた。

一撃がリサンドラの胸に命中し、玩具の鎧が軋み、爆風が広間を揺らす。


その轟きの中に、一瞬だけ――

憎しみの下に閉じ込められた本来のリサンドラのすすり泣きが、反響した。


一方その頃、外では壊れた玩具たちが悪夢のように群れをなして進撃していた。

その進路上に立ち塞がったのは、カグヤだった。


彼女はすべての変身モードを解放する。


――「モード・ブル:緋き咆哮の突進!」


赤く光る角で、第一波を蹴散らす。


――「モード・バイソン:谷を裂く地震!」


蹄の一撃で地面に亀裂を走らせ、無数の人形を粉砕。


――「モード・アルク:氷槍の嵐!」


氷の角が飛翔する敵を貫く。


――「モード・シロクマ:極地の爪痕!」


氷の爪で巨大な敵を引き裂き、核を凍らせて粉々にする。


戦場は残骸で埋め尽くされたが、さらなる波が押し寄せていた。


別の部屋では、セレステが胸のダイヤを握り締める。


――「ビスマス・フォーム、再起動!」


その体は虹色の光をまとい、プリズムのような鎧が煌めく。

羽ばたく翼が眩しく輝き、敵の目を眩ませる。


「私が生きている限り、誰一人傷つけさせない!」


傍らで太陽の盾を広げたウェンディが、息を切らして叫ぶ。


「もう限界よ……! 子どもたちを退避させなきゃ!」


リュウガは力強く頷き、その目が光を放つ。


――「よし。転送開始!」


魔法陣が子供たちの足元に展開され、青い閃光と共に彼らはガレオン号へと転送された。


彼らを迎えたのは、アンドロイドの侍女たち:クリスタル、アズ、ナヤ、ヴィオラ。


クリスタルが腕を広げ、冷静な声で言う。


「確認:最優先任務──子どもたちを最後まで守り抜く」


子どもたちは隠れ場所へと誘導され、

ガレオン内部からはスティアの金属的な咆哮が響いた。


――「命令受領。ここに残り、防衛を担当する。防衛モード、フル起動」


再び広間へ。


アンの植物はリサンドラをいまだに拘束していたが、

アイオは大技の反動で地面に倒れ込み、体を震わせていた。


ふたりとも傷だらけだった。

けれど、その瞳に宿っていたものは同じ。


彼女たちが戦っているのは、ただの怪物ではない。


――かつて、自分たちを笑顔にしてくれた「友達」のために。

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)


もしこの章が気に入ったら、お気に入り登録やコメント、シェアで応援してね。

あなたのポイントや言葉ひとつひとつが、物語を広げる力になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ