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第171章 ―― 彼女たちにしか決められない決闘

融合したリサンドラの咆哮が玉座の間を震わせた。

その怪物と化した腕による一撃が、巨人化したアンを直撃し、轟音とともに彼女を床へ叩きつけた。


アリス形態の巨大な輝きが砕け、痛みを伴う閃光の中でアンは元の大きさに戻った。

息を荒げ、両腕と脚には深い傷が刻まれていた。


アイオは彼女のもとへ駆け寄ろうとしたが、次の攻撃が直撃し、彼女もまた瓦礫の中へ吹き飛ばされた。

プリキュア・テコンドーのオーラが崩れ去り、血を流しながら膝をつく。


――アン! アイオォ!

廊下の奥から子どもたちの叫びが響く。涙を浮かべた瞳がふたりを見つめていた。


おもちゃの融合体に包まれたリサンドラは、一瞬だけ動きを止めた。

砕けたポーセリンの仮面が、幽鬼のような面持ちを与えていた。


――もうやめて…もう、これ以上、あなたたちを傷つけたくない…。

その声は怒りと悲しみが混じり合った、震える声だった。

――これが最後の機会よ。この王国を受け入れて…ここで、永遠に苦しみから解放されなさい…。


血を垂らしながら、アンは顔を上げた。

――だめよ…リサンドラ。その王国は…偽りの笑顔を閉じ込める檻に過ぎない。


アイオはふらつきながらアンに寄りかかり、残された力すべてをこめて叫んだ。

――私たちが救いたいのは、あなた! この憎しみに覆われた鎧じゃない!!


その瞬間、眩い光が玉座の間を照らした。

リュウガと彼の仲間たちが現れ、武器を構え、その目には揺るぎない覚悟が宿っていた。


マグノリアが魔法陣を浮かべ、光の輪を作る。

グレイオはハンマーを肩に担ぎ、咆哮を上げる。

アルタは剣を抜き、鋭い視線でリサンドラをにらむ。


――子どもたち! 下がれ! 俺たちが相手になる! ――リュウガが叫んだ。


だがアンは前に出て、両腕を広げて叫んだ。


――だめ! 手を出さないで!!


アイオもその隣に立ち、震える体でまっすぐに言葉を投げる。


――これは…私たちの戦い。彼女は、私たちの友達だった。

だから…私たちが手を伸ばすしかないの。


沈黙が訪れた。

リュウガはまっすぐに彼女たちを見つめ、重みのあるまなざしを向けた。


マグノリアは唇を噛み、アルタは戸惑い、グレイオは苛立ちをあらわに舌打ちをする。


だが、リュウガは静かに武器を下ろし、その瞳に尊敬の炎を宿したまま告げる。


――…ならば、戦え。

その絆が、闇よりも強いと証明してみせろ。


仲間たちは後退し、玉座の間の中心にはただ三人が残された。


アン。アイオ。

そして、リサンドラ。


王国の運命を決める決闘が――

今、始まろうとしていた。

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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