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第170章 ―― 壊れた笑顔の裏にある痛み

玉座の間は、ぶつかり合う一撃ごとに震えていた。

リサンドラの玩具装甲の歯車が軋み音を立てるたび、それはまるで王国そのものが彼女の悲鳴を上げているかのようだった。

その重たい足音は木製の床を粉砕し、繰り出される攻撃はアンとアイオの心をも揺るがすほどの重圧を放っていた。


アリス形態のアンは、宙に浮くカードを盾として回転させながら、巨大な機械ハンマーの一撃をギリギリで跳び避けた。

――強すぎる…っ!


アイオは「プリキュア・テコンドー」モードで突進を迎え撃ち、全力の回し蹴りで応じた。

衝突音は雷のように響いたが、その衝撃波で彼女の身体は壁に叩きつけられ、苦痛の叫びがこぼれる。


――アイオォッ!! ――アンが叫び、彼女のもとへ駆け寄る。


だが、リサンドラは容赦しなかった。

背後の回転木馬が凶暴に回転し、無数の爆発するおもちゃの馬たちをまき散らす。


――何もわかってないのよ! 傷つけたいわけじゃない…でも、もう止められないの!!


爆発が玉座の間を揺るがす。アンはレース状の結晶でバリアを張り、アイオを守ろうとしたが、衝撃の一部が彼女自身に襲いかかる。

袖から血が流れ、腕が裂かれていた。


アイオは地を這いながらも立ち上がり、燃えるような瞳で叫んだ。

――まだ…まだ、負けない!!


再び跳び上がり、回転蹴りの連撃を打ち込む。

そのうちの一撃がリサンドラの装甲に亀裂を生じさせ、奥に隠された輝く「心臓」が一瞬だけ露出する。


――アン! 今よ!


アイオの叫びに応え、アンは涙を浮かべながら輝くカードを放つ。

それは鏡のように光を反射しながら飛び、亀裂へと命中した。


その衝撃でリサンドラが後退し、その顔には一瞬だけ、痛みが浮かんだ――

肉体ではなく、心の痛み。


――やめてぇぇぇ!!

リサンドラが叫び、両腕を振り下ろして玉座の床を粉砕した。


瓦礫が飛び散り、アンとアイオは吹き飛ばされる。

アンは脇腹を押さえて荒く息をし、アイオも血をにじませながら歯を食いしばった。


限界はすぐそこにあった。

だが、彼女たちは後退しなかった。


アンが震える手を伸ばし、妹を見つめる。

――アイオ…一緒に。たとえ命をかけても。


アイオはその手を強く握り返す。

――うん! あの子のために…そして、取り戻すんだ。あの笑顔を!


その前で、リサンドラは装甲の中で吠える。

過去の痛みが怒りとなり、力となって彼女を暴走させていた。


戦いの終わりは、まだ遠い。

だが、彼女たちの傷が深くなるほどに、真実は明らかになっていく――

リサンドラを救うことは、これまでで最も困難な戦いになるということを。

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この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
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