第15章 狩り、パート3
先ほどの轟音は、ほんの始まりに過ぎなかった。
今や、戦いは完全に勃発していた。
遺跡の内部広場の一つで、シロクマとサメ姫は、隠された通路から現れた盗賊たちと対峙していた。空気は魔力で震え、戦闘の叫びが爆発音や鋼の音、きらめくルーンと混ざり合っていた。
「忍術・氷の咆哮――破壊の閃光!」とシロクマが咆哮した。
彼は巨大な拳で地面を叩きつけ、冷気の波動を放った。氷は白い疫病のように広がり、敵を閉じ込め、結晶の棘で動きを断ち切った。
その隣で、サメ姫が正確な技を繰り出す。
「忍術・渦巻きの牢!」
敵の足元に魔法陣が現れ、回転する水流が噴き上がり、武器や鎧を引き裂いた。蒸気が立ち昇り、まるで霊の霧のように漂った。
「制圧完了!」と彼女は力強く宣言した。
城壁の頂上から、敵の指導者が手を挙げた。
「弓兵を呼べ!撃て!」
屋根の影から何十もの人影が現れた。弓弦が一斉に引かれ、黒い矢の雨が降り注ぐ――
しかし、それが地面に届くことはなかった。
「忍術・旋風斬り――予兆の嵐!」とタカマルが叫ぶ。
回転する風が矢を逸らし、その瞬間アクイラが翼を広げた。
「炎柱の結界!」
聖なる炎が空を掃き、飛来する矢を焼き尽くした。
弓兵たちは近接戦闘に移ろうとしたが、その時カラスが口を開いた。
「忍術・静寂の帳――黒天の封印。」
暗い霧が戦場を覆い、金属は重くなり、空気は油のように粘ついた。弓兵たちは視界を失い、動くこともできなかった。
タカマルとアクイラは急降下し、敵を次々に倒した。
地下墓所からさらに武装した一団が現れた――だがその瞬間…
ドォン!
青く輝く矢が空を裂き、敵の中心で爆発した。
リシアはわずかに震えながら、手にした水晶の弓を見つめていた。青い光が彼女の目を照らしていた。
「わ、私がやったの…?」と彼女はささやいた。
「集中しろ。」とリュウガが隣で言い、結界を展開した。「その弓は普通じゃない。後で説明する。」
リシアはうなずき、意識を集中させた。
遺跡の中心では、四人の魔導士が闇の儀式を始めていた。
「封印を破れ!紅き瞳を召喚せよ!」
だがその言葉は空中で崩れ落ちた。
「忍術・深淵の歌――響きの抑制!」
影から、ウミが古の旋律を歌い上げ、マナの流れを断ち切った。ルーンは明滅し…そして崩壊した。
「忍術・封印墨――黒き雨!」とクロロが叫ぶ。
黒い墨の雲が魔導士たちの間で爆発し、視界を奪った。
そして――
「忍術・審判の爪――夜の裁き!」
影の中から静かに現れたのは、忍び狼のオオガミだった。月のような爪が魔法陣を破壊し、敵は一人ずつ倒れていった。
その上空で、リュウガが両腕を広げた。
「究極術式・天の雨――契約の紅き隕石。」
空は赤く染まり、蒼い隕石が紅の核を抱えて敵陣を焼き尽くした。
「逃げろ!あいつらは人間じゃない!」
だが北の側面では…
「忍術・連鎖爆弾――破滅の封印!」とトロンバスが叫ぶ。
地面が爆発し、盗賊たちは空中に吹き飛ばされた。
そして…彼が現れた。
巨躯の男。筋肉の塊であり、体中に魔の印を刻んでいた。巨大な剣を持ち、狂気の瞳を輝かせていた。
「これが貴様らの全力か?」と彼は嘲笑うように吐き捨てた。「本物を見せてみろ!」
彼の視線はリシアに向いた。
「珍しいな…エルフの娘。連れて帰るとしよう。」
リュウガが彼女の前に立ちはだかった。
「貴様が彼女に触れることは許さない。」
クロが彼の隣に現れた。
「秘技・闇の毒剣!」
毒の霧が敵を包み込む。彼は咳き込みながらも、笑った。
「……これは、うまい!」
その男はまるで鬼神のごとき力で戦い続けたが、忍獣たちは一斉に襲いかかった。
タカマルとアクイラが両側から斬り裂き、狐が幻影を放ち、狼たちが取り囲む。影が舞い踊る。
忍術・影狐の舞!
男は制御を失ったように暴れ、呪文を放ち、咆哮し、柱を破壊した。
だが、やがて膝をついた。血、汗、絶望。
クロが彼の背後に現れた。
「静かなる斬撃。」
アキレス腱が斬り落とされた。
男は叫んだ。
「ま、まだ負けてない…!」
リシアが矢を引いた。
「圧壊の矢――絶対射撃!」
矢の衝撃が彼を完全に打ち倒した。だが、まだ手を伸ばそうとしていた。
オオガミが跳躍した。
「狩人の杖:剣の形――終焉の一閃!」
首が落ちた。
静寂――
リュウガはその亡骸の前で膝をついた。
「お前は、どれだけ“助けてくれ”と叫んだ?他人を苦しめた後で。」
敵は、まだ息があった。涙を流した。
「こんなはずじゃなかった……助けてくれ……」
リュウガは目を閉じた。
「正義は……必ずしも許しはしない。」
雷が落ちた。音もなく。終わりを告げるように。
脅威は、払われた。
残ったのは、灰と影に覆われた遺跡に響く足音のこだまだけだった。
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