表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
167/324

第162章 — 解き放たれた巨像の咆哮

ガレオン船前の広場は、鋼鉄の地獄と化していた。

機械仕掛けの鉛兵士は戦争の怪物へと変貌し、

回転刃の四本の腕、装甲に埋まった砲塔、

そして腹部のエンジンは飢えた獣のように轟く。

一歩ごとに大地を震わせ、動きのたびに火花と黒煙を散らす。


カイマン・ブラックの姿になったカグヤは、瀕死の体勢からなおも呻いた。

—「弱点など、ない…!」


おもちゃの壁が半分壊れる強烈な斬撃を辛うじてかわしながら。


ブルナは怒りを込めた咆哮で応じる。

即席の武器を振り、巨像の脚を叩いたが、ほとんど揺れさえしない。

その代わり、巨大な腕の一撃で地面に叩きつけられた。


燃えるような素早さで動くハルは、

青い炎をたなびかせながら走り回り、攻撃を試みた。

—「焼けもしない…まるで山に突っ込んでるみたいだ!」


突如として、巨像は胸部を開き、一斉にミサイルを射出した。


—「気をつけて!」ウェンディが叫ぶ。


彼女は金色の翼を広げ、太陽の盾となり、爆発を受け止めた。

その衝撃で体が揺れ、耐え難い重圧に顔を歪める。

—「うう…このままじゃ持たない…!」


船上でスティルが金属の声を轟かせた。

—「砲塔、再装填完了。カバー要請。」


アズは前へ躍り出た。

エネルギー剣をプロペラのように回転させながら、

2回の袖払いをかわすも、3度目を受けて後方へ弾かれた。

しかしなお落ち着いた声で言う。

—「ダメージ受領。稼働率:72パーセント。継続する。」


—「今、折れるな!」ウェンディが汗をぬぐいながら叫ぶ。


巨像は四本の腕を一斉に振り上げ、

一撃で全員を粉砕するかのような攻撃態勢に入った。


カグヤが咆哮しながら突進する。

—「落ちるなら…最後まで戦ってやる!」


ブルナは立ち上がり、武器で強烈な一撃。

—「顔を砕いてやる!」


ハルは燃える尾を跳ねさせ、空中で叫ぶ。

—「総攻撃だ! 呼吸をさせるな!」


全員が突撃を仕掛ける。

その拳、爪、武器、炎が、必死の防衛線を形成した。


その刹那、スティルの砲が完全に再装填された。

—「最後の一撃。集中砲火。」


巨大な砲撃がガレオンから発射され、巨像の胸部へ命中。

轟音と共に装甲が溶け出すが、巨像はまだ立っていた。


—「そんな……!」ハルは息を吞んだ。


巨像はさらに怒りを燃やし、背中のパネルを開く。

巨大な砲門が現れ、赤いエネルギーを噴き上げる。


アズが呟いた。

—「確認:単発でも…ガレオンが吹き飛ぶ威力だ…」


沈黙が一瞬広場を包む。

大気は灼熱のように焔めき、

巨像の咆哮は遠雷のように轟く。


耐えるウェンディが、震える羽を再び広げた。

—「なら…撃たせはしない!」


戦局はついに臨界点に到達した。

この章を気に入っていただけたら、お気に入り登録やコメント、シェアをぜひお願いします!

あなたの応援ポイントは、もっと多くの読者にこの物語を届ける力になります!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ