表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
146/324

第141章 – 井戸の兵士

井戸の空気が、まるで炎を呑み込んだかのように唸りを上げた。

火花と軋む歯車の爆発音とともに、闇の底から信じがたい存在が姿を現す。

それは巨大な玩具の兵士――機械仕掛けの巨人であり、赤い瞳ときしむ顎を持っていた。

一挙手一投足が地面を震わせ、広場全体が戦太鼓のように鳴り響く。


—下がれ! —リュウガが吼え、紅のオーラを放ちながら母親と老人を横道へと弾き飛ばした。

即座にエネルギーの盾を張り、彼らを危険から遠ざける。


巨兵は槌のような腕を振り上げ、アンとアイオを直撃しようと迫った。


変身


アンは跳び上がり、その瞳に決意の光を宿す。


—モード〈長靴をはいた猫〉、アクティブ!


金色のオーラが体を包み、衣装は俊敏さに特化した姿へと変化。

大地を踏むたびに煌めく長靴、頭上には羽根飾りの帽子。

その手には軽やかに光を反射する細剣が握られていた。


アイオも負けてはいなかった。


—ボクシング・マジック、トランスフォーム!


黒地に紅のラインが走るスポーツトップ、青炎を纏ったボクシンググローブ。

二度拳を振り抜くと、その衝撃が雷鳴のように空気を裂いた。


パールは巨兵を見据え、センサーを全開にする。


—確認:未知の金属質量。分類…〈戦闘オートマタ〉。脅威レベル:高。介入推奨。


彼女は腕を変形させ、金属を打ち砕く機械的な連撃を開始。

打撃のたび、広場に鐘のような轟音が響き渡った。


反撃


巨兵は石壁を砕きながら拳を振り下ろす。

ブルナが前へ飛び出し、怒りに燃える瞳で叫ぶ。


—怖くねぇぞ、鉄屑!


巨体の足下に滑り込み、回転蹴りを叩き込む。

関節が軋み、膝がわずかに沈んだ。だが次の瞬間、巨腕の一撃が彼女を襲い、

ブルナは砕けた荷車へと叩きつけられた。


—ブルナ! —アンが叫び、駆け寄る。


巨腕が再び振り下ろされる。アンは剣を構え、猫のような俊敏な動きで進路を逸らす。

その一瞬でブルナは転がり逃れた。


—一緒に行こう! —アンが手を差し伸べる。


ブルナは血を吐きながらも、獰猛な笑みを浮かべた。

—ああ! ぶっ倒してやる!


アイオはその隙を逃さない。

巨兵の脚に飛びつき、渾身の連打を浴びせる。


—レフトフック! ライトアッパー! コメットパンチ!


連打は金床を叩くように響き、巨兵は一瞬よろめいた。


連携


リュウガが戻り、紅のオーラを拳にまとわせた。


—パール、装甲に穴を開けろ! アイオ、アン、ブルナはそこを狙え!


—了解。デモリション・プロトコル、起動!


パールの腕が変形し、エネルギードリルが唸りを上げる。

巨兵の肩部装甲を穿ち、眩い穴を開けた。


—今だ!


アンが疾走し、剣を光の軌跡と化して突き立てる。


—〈放浪猫のエストック〉!


アイオも跳び上がり、渾身の拳を叩き込む。

ブルナは怒号と共に損傷した関節へ蹴りを叩きつけた。


巨兵は壊れたラッパのような轟音を上げ、ついに膝をついた。

背後の井戸が、不気味に震えながら低く鳴り響く。


戦いはまだ終わっていなかった。

しかし、その最中にリュウガは低く呟いた。


—これはただの襲撃じゃない…

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

ここまで読んでくださり、本当にありがとうございます!


ご感想・ご意見、どんなものでも大歓迎です。


評価やお気に入り登録もしていただけると、執筆の励みになります!


皆さんの応援が、この物語を前に進めてくれます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ