第134章――訓練の嵐(くんれんのあらし)
ガレオン号は静かに空を進み、東の空を目指していた。しかし、訓練室の中に「静けさ」などという言葉は存在しなかった。
魔法障壁が光を放ち、ロボットメイドたちによって最大強度まで強化されていた。前例のない力のぶつかり合いを想定した、嵐のような訓練が始まろうとしていた。
リュウガは腕を組み、鋭い声で言った。
「今日は分かれて訓練しない。全員、全力の“バトルロイヤル”だ。それぞれ、自分のすべてを見せてもらう。」
その言葉に、全員の瞳が燃え上がる。アルサスでさえも、興味深そうに眉を上げた。
初期配置
リュウガ――双銃を構え、中心へ。
セレステ――プリズムアーマーを輝かせ、「パール形態」へ変身。
カグヤ――基本忍術スタイルで構えつつ、変身の準備。
ヴェル――紅の瞳を光らせながら短剣を構える。
リッシア――魔法の矢を数本、既に弓に番えていた。
アン――シンデレラ形態、光る鞭を操る。
アイオ――ギターを構え、魔力のコードを奏でるロック形態。
ウェンディ――白とオレンジのスーツで剣を抜く。
リーフティ、パール、スティオン――戦闘モード起動、防御展開完了。
クロ――ゆっくりと刀を抜き、冷たい目で全体を見渡す。
場の空気が震える。まるで嵐の前兆。
混戦開始
金属のゴングが響いた。次の瞬間――戦闘が始まった。
リュウガの双銃が暗黒エネルギーを放つ。それをセレステが水晶の盾で防ぐ。
「本気で来いよ、セレステ!」
「最初から手加減なんてしてないわ!」
彼女は光の槍で反撃。
アンの鞭がスティオンを狙うが、ロボットはそれを片手で掴む。
「エラー:対象、火力不足。」
そのままアンを弾き飛ばす。
「そんなの…認めないっ!」
アンは魔法で強化された鞭を使い、逆襲。
アイオがコードを弾くと、音波が爆発し、ヴェルとリッシアを押し戻す。
「ロックンロール、開演だーっ!」
リッシアの矢が空中で分裂し、雨のように降り注ぐ。
カグヤはゴリラ忍術形態でクロの背後に現れ、一撃。
「これが…今の私よ!」
「強いな。でも、精度が足りない。」
クロは冷静に斬撃を防ぎ、反撃。
その衝撃波が広場全体に響き、観戦していたグレイオとマグノリアが思わず手すりを掴んだ。
即席の連携
個人戦はすぐに小規模なコンビネーションへと変化。
ウェンディとアイオ――音波で軌道を変えた弾丸が、雷のように戦場を駆けた。
リュウガとヴェルは、敵同士でありながら、スティオンに対抗するため共闘。
セレステとカグヤはアイコンタクトで合図し、後衛のリッシアに迫る。
「これは…ただの訓練じゃないな。」
グレイオが笑う。
「危険すぎる訓練…でも、悪くないわね。」
マグノリアもつい微笑む。
クライマックス
リュウガが手を挙げる。
「もう十分だ。――次は、全員、全力で来い!」
空気が振動する。全員が必殺技モードへ。
アン:『12時の鐘』
アイオ:業火を呼ぶギターソロ。
ウェンディ:『レスキュー・シフト・ガン』発動。
セレステ:『プリズマ・フリーズ』、氷と光の結晶。
カグヤ:ゴリラ→パイソン→カメレオン、形態変化連打。
ヴェル:『紅の舞』。
リッシア:『ユグドラシルの矢』。
クロ&スティオン:冷徹に中央へ突撃。
リーフティ&パール:雷撃モード、連続放電。
その一瞬――魔法障壁が太陽のように輝き、衝撃波がガレオン全体を揺らした。
光が消えると、全員が地面に倒れていた。息を切らしながらも、誰も笑顔を失っていない。
リュウガは天井を見上げながら息を整える。
「…これで、どんな敵が来ても怖くないな。」
アンが微笑みながらつぶやいた。
「こんな仲間と戦えるなら…どんな戦いも乗り越えられる。」
ガレオン号はそのまま東へ――次なる戦いと、目覚めつつある伝説へと進んでいった。
この章を通じて、たとえ「訓練の嵐」の後であっても、仲間たちの絆はより一層強くなったことがわかります。
一つ一つの言葉、笑い、そしてぶつかり合いの全てが、彼らを「ダイヤモンドの塔」へと近づけていくのです。
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読んでくださってありがとうございました。
次の章でまたお会いしましょう!