表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
136/324

第131章――「ガレオンの友好試合」

ガレオン号は東の地平線に向かって静かに進んでいた。動力炉から発せられるエネルギーの鼓動が、船体を優しく振動させていた。


しかし、中央甲板に静けさはなかった。


そこは特別に強化された訓練区画――魔法障壁と金属板で覆われ、あらゆる攻撃にも耐えられる設計。

リュウガと仲間たちは、そこで日々の訓練に励んでいた。


操舵室では、ロボットの一人・パールが航行を監視していた。

通信機越しに、その機械的な声が響く。

「進路安定。東方へ進行中。障害物なし。」


甲板の片隅、腕を組んでいたアルサスは、光景を見つめながら呟いた。

「こんなに多種多様な者たちが…これほど調和して訓練するとは。

人間、亜人、魔法少女…魂を宿したようなオートマトンまで。」


マグノリアも穏やかに微笑みながら頷く。

「それでも彼らは、栄光でも金でもなく…命のために戦っているのね。」


そのとき、リュウガとセレステの訓練を眺めていたウェンディが、銃を拭きながら退屈そうに声を上げた。

「ねえ、そろそろ真面目な訓練ばっかりじゃ退屈じゃない?

ちょっとした…遊びの試合でもしてみない?」


カグヤが眉を上げて、腕を組む。

「遊び? 山岳地帯に入る前に、全員あざだらけになってもいいの?」


ウェンディは余裕の笑みを浮かべながら答えた。

「死合いをしようってんじゃないわ。ただの軽い模擬戦。ね?楽しくなるって。」


練習していたアンとアイオが顔を見合わせて、笑い出す。

「やりたい!最近力試しできてなかったし!」

「私も!ギターでどこまで戦えるか、久々に見せたいわ!」


セレステがリュウガの方を向き、瞳を輝かせて言う。

「どうかしら? 反射神経の鍛錬にもなるわよ。」


リュウガは周囲を見回す。

ヴェルやリシアも興味を示し、クロは微かに笑みを浮かべていた。


やがて、リュウガは頷く。

「いいだろう。だが、あくまで友好試合だ。

恨みっこなし。怪我も最小限にな。」

その一言で、全員の心が一つになる。


マグノリアは口元を手で覆いながら、くすりと笑った。

「変わった集団だけど…軍よりも絆が深いかもしれないわね。」


一方、煙草をふかしていたグレイオが陽気に言う。

「こりゃ面白くなりそうだ。…最初に倒れるのは誰か、賭けるか?」


訓練区画が輝き出し、空気が緊張と期待で満たされた。

ウェンディの提案は、すぐに活気ある、笑いと競争心に満ちた小さな戦いへと変わっていく――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この物語はメキシコ出身の作者「ジャクロの魂」によって執筆されています。 お気に入り・評価・感想などいただけると、物語を続ける力になります! 応援よろしくお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ