第100章 – 影と光の決闘
カンッ!
剣が轟音とともにぶつかり合った。最初の交差は閃光の嵐だった。リエルが回転し、斜めの一閃を放つ――だが防がれた。アイオンが左から強烈に攻めると、敵は両刃の剣を回して、二人の攻撃を同時に受け止めた。
リエルは跳び退いた。フードの男は剣を回しながら追いかける。アイオンが横一文字の突進で迎え撃ち、敵の進路を逸らした。
タッ タッ タッ!
金属の床に足音が響く。死の舞踏はプラットフォーム、橋、エネルギーの柱の間を駆け巡る。斬撃のたびに火花が宙を舞った。
「速いな……」リエルが唸った。「でも、無敵じゃない」
「リズムを読め。奴は予測不能な連撃を使ってるが、基本はある」
アイオンが答えた。「流れを断て!」
シュバッ!
剣士は一瞬、両刃の剣を分離し、それぞれの刃を片手に持った。動きはさらに荒々しく、獣のように激しくなる。低く回転し、アイオンの脚を狙ったが、アイオンは盾で受け止め、そのまま力で押し返した。
ドンッ!
衝撃で両者が弾き飛ばされる。
「こいつ、本気だ……」リエルが息を荒げて言う。
「いや、殺しに来てる」
再び激突。今度はアイオンが正面から立ちはだかり、強靭な防御で全ての攻撃を受け止める。リエルは影のように側面を狙い、隙を突いて斬り込んだ。
だが、敵には死角がなかった。その紅い目はすべてを見通し、反撃のたびに光る。片方で攻撃し、もう片方で防御、回転して連続攻撃――まるで剣が二重のリズムで舞っているかのようだった。
戦いは血と鋼の舞踊となった。火花が騎士たちの汗に濡れた顔を照らす。緊張は高まり、速度は増し、一瞬の油断が死を招く。
カンッ! カンッ! カンッ!
リエルが縦斬りを繰り出す。敵はそれを受け止め、剣を回してリエルを柱に叩きつけた。トドメを刺そうとする瞬間、アイオンが盾で突進し割って入る。
敵は三歩後退し、剣を下ろした。疲労も負傷も見えない。ただ――より興味を抱いた目で、彼らを見つめていた。
アイオンが歯を食いしばる。
「こいつはただの剣士じゃない。戦争兵器だ」
「なら、戦争として受けて立つ」リエルが立ち上がる。「最後までな」
三人は互いを見据える。室内は、張り詰めたエネルギーで震えていた。
そして――もう言葉は不要だった。
三人は再び、最後の衝突へと駆け出した。