9話:ピンクと俺の能力
レッド「……で、こいつはどんなヤツなんや?」
ブルー「見た目はオレたちと似てるが……なんか雰囲気が違う。」
イエロー「おおっ、ジャケット着てるやん! しかも黒ジャケット! なんかできる女感すごいな!」
ピンク「ジャケットじゃないわよ。デザインよ。」
ピンクのフォルムは、みんなと同じ球体ながら、表面には黒いラインが入り、まるでジャケットを羽織っているように見える。ピンク色も、淡いものではなく、しっかりとした色合いで落ち着きがある。
レッド「あと、よく見たらアクセもついとるやん。なんか電線っぽいネックレスとピアス?」
ピンク「……実用的オシャレよ。」(少しだけ得意げ)
イエロー「ええやんええやん! それっぽいわ!」
ブルー「しっかり者の姉御って感じ。あと……スイッチ?」
ピンクの側面には小さなスイッチのようなパーツがついており、怒ると微かに光る仕様になっている。
俺「……おい、このスイッチ、もしかしてヤバいやつちゃうか?」
ピンク「フンッ……試してみる?」
(カチッ!)
俺「うわっ!? 今なんかスイッチ入れた!!」
レッドの動きがピタッと止まる。
レッド「お、おい!? なんや、急に動けんようになったぞ!?」
ピンク「……こういうことよ。」
イエロー「おおっ! やっぱり"ヒューズ"って感じやな!」
ブルー「なるほど……対象の動きを遮断する能力か。制限は?」
ピンク「私自身の負担が大きすぎると、逆にこっちが落ちるわ。」
レッド「なるほどな……下手に暴走すると、自分が"ブレーカー落ち"するわけか。」
ピンク「だからこそ、無駄な動きは慎むことね。」
イエロー「うーん、厳しいけど……頼れる姉御って感じや!」
こうして、俺たちは新たな仲間の「ヒューズ」と共に動き出した――。
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レッド「ピンクの能力もだいたい分かったし、話だいぶ戻すで。問題は、電柱。お前、他に何が出来るんや?隠さんと言うてみ。」
俺「いや、隠すも何も。」
イエロー「何もしてないから、何も知らんだけやんな。」
俺「くっ……!!!」
ブルー「……電柱はデクノボウ。」
レッド&イエロー「ぶわはははっ!!」
レッド「コンクリやけどなっ!!」
ピンク「……バカなの。」
俺「うぅっ……!!!」
イエロー「お前て電柱やろ?俺らの能力もそれに起因してるんちゃうん。ガイシやしヒューズやし。」
ピンク「あなた、この中で一番まともなこと言うのね。」
レッド「イエローの言う通りやな。ガイシもヒューズも電柱に関係あるし、電柱に能力がないってことはないやろ?」
イエロー「せやせや!そもそも、電柱って何してんの?」
ブルー「……電線を支えている。」
レッド「うん、そうやな。」
ブルー「……それだけ?」
俺「……ぐぬぬ。」
ピンク「普通に考えなさいよ。電柱がなかったら、私たち(ガイシ&ヒューズ)はどうなるの?」
イエロー「えーっと、電柱がなかったらそもそも俺ら必要ないやん。電気が送れへんし……」
ピンク「そこよ!電気を送れるのよ。しかも、6600Vもよ。これを操れたら凄いことじゃない?……さっさと気づきなさいよ。落とす(遮断)わよ!!!」
俺「(喋りながら気づいたんや。照れとる。かわい)」
ピンク「何見てんのよ。さっさとやりなさい。」
俺「は、はい!」
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俺「うおおおお!! 電撃ッ!!」
(バチバチッ……ジジジ……)
レッド「……ん?」
イエロー「……お? なんか光った?」
ブルー「……静電気?」
俺「え、なんか……漏れてる??」
俺の周りに、うっすら青白い火花が走る。でも、攻撃できるほどの威力はない。
イエロー「あー、これ、漏電やな。」
レッド「お前、電気使おうとしたら、周りに漏らすタイプか!」
俺「そ、そんなわけ……!!」
ピンク「バカばっかり……。(ボソッ)」
俺「(でも、確かに"流れた"感覚はあった……!!)」
ピンク「もういいわ。見てられない。落とす(遮断)わよ。」
(カチッ!!)
……バチィン!!!!!
レッド「ん?」
イエロー「んん???」
ブルー「……電源が……」
俺「あれ、なんか……?」
辺り一帯、静まり返る。近くのコンビニの自動ドアが反応せず、客が立ち往生している。
レッド「お、おい……?ベースノードの近所歩いてる兄さんの スマホ、電源落ちたぞ?」
イエロー「街灯も一瞬チカついたで。えっ、これ……ピンクのせい!?」
ピンク「ち、違うわよ!私はただ"遮断"しただけで……!!」
ブルー「……EMPか。」
俺「……え? EMP?」
ピンク「……ちょっと待って。あなた、漏電じゃなくて 電磁パルス(EMP) 出してたの!?」
俺「えええええええ!? 俺、EMP出せるん!???」
レッド「おいおい、めっちゃヤバいやん。つまり、電撃だけやなくて、電磁波でも攻撃できるってことか?」
イエロー「でも、コントロールできてないから、味方も巻き込まれるぞ……?」
俺「くっ……!! これ、どうやったら制御できるんや……!!」