表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/47

7話:俺ってバグなん?


ベースノード


俺「あいつら、なんで俺を狙ったんや? ワームだけじゃないな。キーロガーもや。あのときレッドが助けてくれへんかったら、2回目やられとった。」


イエロー「なんか気に触ることでもしたんちゃうんか? 例えばハッキングとか。」


俺「……いや、それは確かにしたけどやな!!」


レッド「はい確定。原因お前。」


俺「いや、ちょい待て! 普通ハッキングしただけで、ネットワークのワームがピンポイントで襲ってくるか!? そんな監視システム組まれてたら、町内ネットワーク自体がやばいやろ。」


イエロー「それもそうやな……でも、お前が何かしら"特別"にマークされたのは確かや。」


ブルー「仮説1:電柱がハッキングしたことで、ワームに"特異データ"として認識された可能性。」


レッド「仮説2:ワームのプログラム自体に"特定の条件下でのみ狙う対象"が設定されとる。」


イエロー「仮説3:単にお前がムカつくから。」


俺「最後の仮説、何やねん!?ハッキングがほんまに原因なんか? アナウンスさん! 何か知ってませんか?」


(沈黙)


俺「おーい、聞こえてる? 俺がハッキングしたせいで狙われとんのか?」


【──イナズマ マコトはこの世界では存在してはいけない存在】


俺「……は?」


イエロー「え、何て?」


俺「いや、俺が聞きたいわ! どゆこと?」


【ネットワーク内にバグが存在してはいけないように、この世界にイナズマ マコトは存在してはいけない】


ブルー「……それ。マジでシャレならん感じ。」


レッド「待て。どういう意味や? "存在してはいけない"って、つまり……」


俺「俺、バグなん?」


イエロー「そういや、お前だけ異様に狙われるのも変な話やったな……。」


レッド「確かに。ワームもキーロガーも、あたかも"最初からお前を排除するように"仕込まれてたみたいやった。」


イエロー「でも、それやったら……"誰が"お前を"存在してはいけない"って決めたんや?」


俺「……知らん。でも、"何か"が俺を消そうとしてるってことやな。」


ブルー「…逆かもしれない。」


俺「は?」


ブルー「ウイルスにとって現実世界のサイバー対策が間接的干渉だとすると、電柱は直接干渉できる最重要脅威。しかも弱い。」


レッド「そうか、ぱっと見で"電柱の存在はアカンやつや!"ってなってんねんな!!しかも、弱そうやから今のうちにイテマエってことか!!」


ブルー「…そう。俺達はこのネットワーク世界で生まれたから問題なし。」


俺「つまり、俺は……電柱?」


イエロー「お前、その解釈はおかしい。」


レッド「でも、現象としてはそれに近いんちゃうか? お前だけ明らかに異物扱いされとる。」


ブルー「おそらく、この世界のシステムが"外部から来たもの"を自動排除する仕組みになってる。それに引っかかった。」


イエロー「ほな、囮担当な。」


俺「アホか。真面目に考えてくれや。でも、ブルーの仮説が一番な気がするわ。アナウンスさんどうかな?ブルーの仮説で合ってるか?」


【………】


レッド「また沈黙か」


俺「ええよ。もう一つ聞いてええか?ナイトメアの弱点『???』になってたんやけどなんで?」


【イナズマ マコトの弱さが関係しています。】


イエロー「レベルあげろっちゅうことやな?」


【イナズマ マコトはレベルが上がることはありません。チュートリアルが終了したので、ここから先私が貴方がたに直接干渉することもありません】


俺「チュートリアル完全終了やな。アナウンスさん、ありがとうやったな。たまには声かけてや、さみしいやん。」


【……応援します……】


---プツン---


俺「俺のレベルが上がらんということは、お前らガンバ! ってことやんな?」


イエロー「お前、軽っ!! いや、ほんまにええんか?」


レッド「逆に清々しいな。」


ブルー「ある意味合理的。戦力としての伸びしろがない電柱、伸びる俺らが頑張るしかない。」


俺「せやろ? 俺はもう固定ステータスのNPCみたいなもんや。となれば、お前らがガンガン強くなってくれたらええ話や!」


イエロー「いや、まあ……せやけど……」


レッド「何やろな、この"自分が強くなられへんことに一切ショックを受けてない感"。」


ブルー「レベルが上がらないってことは、"ステータスが変動しない"とも言える。逆に言えば、電柱の耐久力やスキルが固定なら、それを前提に戦術を組めるかも…?。」


俺「なるほどな。俺の能力が伸びんのやったら、今ある能力をどう活かすか考えた方が建設的ってことやな。」


イエロー「おお、めっちゃポジティブに割り切った!」


レッド「ほな、お前は囮担当やな。」


俺「おい、すぐ囮にすな!!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ