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61話:正解のない謎解き

直感でしかないが自信はあった。


ブラック「(間違いない!ブレインリンク・システム…ゼロなら興味を示すはずだ。)」


ブラックはすぐさまピンクへ通信を入れる。ブレインリンク・システムを使ったゲームについて調べることを伝えると、偶然か必然か、ピンクたちも同じ会社を調べていた。


ブルー「今…座標送った…。」


ピンク「2人とも気をつけてね。」


ブラック「ああ。」

 

通信が切れると、ブラックはJr.に座標を示す。


ブラック「目的地はここだ。ゲーム会社のプレスリリースにあった、ブレインリンク・システムのゲーム。」


Jr.「へぇー、ホンマに繋がってたんか。ブラックの勘、侮れんなぁ。」


不機嫌だったJr.の表情に、少しの興味と興奮が浮かんだ。彼らはすぐにピンク達から教えられた座標へと向かう。


Jr.「ほんでこれどんなゲームなんや?」


ブラック「ああ、これはこめかみ辺りに送信機を取り付けることでフルダイブできるゲーム。試作ゲームでまだモニターにしかプレイできない。内容は主に謎解きだな。今のところ『ゾディアック事件、ディアトロフ峠事件、切り裂きジャック事件』の3つがある。」


Jr.「は?全部未解決事件やんか。なんでそんなもんゲームにするんや?」


ブラック「……。そうか、未解決事件だ。プレイヤーの動きは自由自在だな。」


Jr.「一人で納得しとらんと俺にも教えろや。」


ブラック「未解決事件を題材にすることで解決へのセオリーが無い。もちろん正解も不正解もだ…おそらく開発会社は不具合を探すことが目的だったんだろうが。」


Jr.「ちょっと待ったれや。正解のない謎解きってストレスしかないやん。」


ブラック「そうだ。そこにゼロは目をつけたんだ。高ストレス状態の人間の思考や意識を理解する為……俺の仮説でしかないがな。」


Jr.「まぁ、ええわ。行くぞ!分からんことぐちゃぐちゃ言うてもしゃあないしな。」


ブラック「そうだな。」


強烈な光に包まれた。視界が一瞬ホワイトアウトする。光が収まったとき、彼らは舗装された道路ではなく、石畳の上に立っていた。


薄暗く灰色の空。分厚い雲と霧に覆われた街…一際目立つ時計台。綺麗に区画整理された街並み…。


彼らが足を踏み入れた先は、どこか見覚えのある光景だった。


ブラック「ここは、ロンドン…。」


Jr.「ほんなら敵はジャック・ザ・リッパーやな?」


ブラック「(横文字使いたい年頃か…フフ)」


Jr.「しかし、空気は悪いし、きれいな街並みも表面だけやん。これ、一歩裏路地に入ったら迷路やろ。」


ブラック「あぁ。この頃のロンドンは産業革命で表向きは発展してたが、裏通りにはスラムが広がっていたはずだ。貧富の差も激しかった…。」


二人が立つ石畳の上に、濃い霧がゆっくりと流れ込んでくる。

街のざわめきが遠のき、聞こえるのは自分たちの足音だけ――



---


ピンク「はぁ、もどかしいわね。ただ待つだけなんて。」


ブルー「他にも探してみる…?」


ピンク「そうね。もう少し探しますか!」


ブルー「俺は…青島…コンタクトとる。」


ピンク「あんた…」


青島に進捗状況を確認する。フルグラ開発者の弟が会長であること、アポを取り付けたこと。電柱の現状は既に確認し電柱の母と話した事を説明された。


ピンク「やっぱりあの男できるわね。」


ブルー「電柱…通信つなげる。」


ピンク「ええ、お願い。」



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