59話:ユグドラ祭町に行くぞ
ベースノード――
青島・ポーピ君の迷コンビとは対照的に、こちらは静かな空気が流れていた。誰も余計な言葉を発しない。
けれど、その沈黙は決して停滞ではなく、嵐の前の凪のような緊張を孕んでいた。
「…………」
「…………」
「…………」
イエロー「いや、誰かなんか言えや!」
レッド「……いや、なんか言うたら台無しかなと思って。」
ピンク「静かなのも悪くないわよ?ほら、サスペンスっぽいし。」
イエロー「そんなんでサスペンスやったら、もう読者寝てまうわ!」
Jr.「お前ら…いつもこんなん?」
ブラック「……問題ない、そのうち慣れる。」
Jr.「もうええわ。電柱お前、手札がどうとか言ってたけどちゃんと作戦あるんやろな?ほんまにノープランやったら俺暴れるぞ!」
俺「その前にゼロとラビリンスの事教えてくれ。あまりにも情報がなさすぎる。」
Jr.「ほんまにノープランかい、暴れる言うたけどそんな気すら失せたわ。」
ブラック「前にも言ったがゼロについては本当に知らないんだ。あいつは命令するだけでな…」
Jr.「そうや。自分を取り戻すまではあいつの言うことはなんでか全部イエスやねん。でも、あいつのことは分からん。」
ブラック「話した事はあるんだがモヤがかかったように思い出せないんだ。」
Jr.「お!ブラックもか、俺もそうや。」
俺「ラビリンスの構造とかネームドは何人とか?分からんか?」
ブラック「ラビリンスはそう大きくはない。有名な絵画のバベルの塔を模したような建物だ。だが、絵画のようなそれと違って外見も塔内も荒れている。まるで戦闘の跡のようだ。ネームドについては…すまない。」
Jr.「多分やけど、5人ちゃうか?見た目何階層もありそうな塔やけど2階建てやしな。一階に5部屋個室があってあとは広間みたいになってんねん。2階はゼロが1人使っとった。お!でも脇に一言も喋らんやつおったな。」
イエロー「ってことはネームドは5人やな。んで側近。」
ピンク「でも、ブラックとJr.そしてパンジーは記憶を取り戻したのよね?ならあと3人ね。」
ブラック「俺達の代わりを補充していたらわからんがな。」
Jr.「下っ端の繰り上がりなんか問題にもならんやろwww」
ブルー「……。気持ち悪い。」
ピンク「えっ?何?また感染かなにかしてるの?」
ブルー「違う…。5人のネームドそして側近……。四天王でもゴレンジャーでも無い………」
「…………」
レッド「ほんなら残りはネームド2人と側近って考えとけばええな。」
Jr.「そうやな。知らんけど。」
俺「3人か…もう1人か2人は元に戻しておきたいな…」
Jr.「おっ!バトルか俺に行かせろ!!」
イエロー「なんでそうなんねん。」
ピンク「見た目が可愛いのにバトルジャンキーなんて…可哀想ね。」
Jr.「なんやと。」
俺「ほんなら、Jr.、ブラックと一緒にゼロが興味持ちそうな所回ってくれるか?できそうなら捕縛して欲しいな。」
Jr.「ええんか!」
俺「はしゃぎすぎや。ブラック不利やと思ったら直ぐに離脱、Jr.の事頼んだで。」
ブラック「ああ。」
俺「ブルーとピンクは青島の方と連絡取ってくれ。待ちの間はネットやニュースでゼロが絡んでそうやったり興味持ちそうなもんを探す。」
ブルー「分かった…」
ピンク「分かったわ」
俺「俺とレッド、イエローはユグドラ祭町に行くぞ。あの町長さんなら味方に引き込めそうや。」
レッド「うわ~またあそこ行けんの?」
イエロー「浴衣用意せんと!」
ブルー「ズルい……」
ピンク「ちょっと電柱。私とレッドかイエロー交代させなさいよ!」
俺「ちょ、お前ら遊びちゃうんやぞ!ブラックなんか言うたってくれ!!」
ブラック「確かにユグドラへはもう一度行ってみたいと思っていた。」
俺「ええ~!ブラックさん…」
Jr.「なんやみんなが騒ぐほどおもろい場所なんか?俺も連れてけや。」
俺「Jr.まで…振り分け担当決めたやん。遊びちゃうんやぞ!」
Jr.「ほんならサクッとゼロのネームドぶっ飛ばせばええっちゅうこっちゃな。」
ピンク「そうね、青島とはいつでも通信できるからネットとニュース片っ端からやつけたらいいって話よね。」
ブラック「みんなさっそく始めるか。」
ブルー「俺達が行くまで…待ってて…」
レッド&イエロー「ほな皆さん、お先に。電柱、行くでwww」




