45話:崩壊
イエロー「青島やるやん。単なる笑い方の可怪しい男ちゃうかったな。」
レッド「ちびからもモニターがほとんどなくなったって通信来とるわ」
俺「ほんなら回収しに行こうか?」
ピンク「でも、リーダーまだ捕まってないんじゃない?」
俺「この勢いやったらすぐ捕まえるやろ。」
レッド「またお前は…」
ブルー「電柱。…フラグ立てた。」
なんのかんの言いながらパノプティコンがどうなっているのか気になるので皆で行くことにした。
ねじれた空間。不気味。触れたらアカン。そう感じていた場所だった。
俺「えらいまた殺風景になったなぁ。」
イエロー「ほんま、パノプティコンとは思えんな。」
ピンク「あ!ちびちゃん達居たわよ。」
レッド「おー、お前らよう頑張ったな。」
ちび達「☆☆☆!!」
イエロー「じゃ、回収な。」
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閑話――
俺「なぁ、ピンク誕生の時のちびレッドって喋ってなかったか?」
ブルー「喋ってた。」
レッド「そら作者がノープランで話進めとるからミスってんねやろ。」
ピンク「この感じだと、ちびちゃん達はもう話さないのかもね。」
イエロー「途中からシグナルコードも関係なくなっとるしな。」
俺「お前らとのコミュニケーション苦労したのにな。」
俺・レッド・イエロー・ブルー・ピンク 「作者!謝れ!!」
ジッピー「も、申し訳ございません!色々と、整合性が…限界なんです…!」
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ちび達を回収したイエロー&レッド。データを共有する。
俺「ん?なんやオレンジ色が映ってないか?」
ブルー「…アッチの方向。」
ピンク「!! キャぁっ!」
パノプティコンの奥深く、闇に紛れるように佇む影。
イエロー「ポーピやんけ!いきなり出てくんなや、心臓止まるか思ったわ!」
ピンク「ほんとアンタ、暗いところにいるとマジで怖い!落とす(遮断)わよ、今すぐ!」
ポーピ君「驚かせてしまってごめんなさい…。ここに居ればデンチュウジャーに会えると思いまして…」
レッド「どうしたんや?オレンジやのに青い顔して。」
ポーピ君「ハイドの追跡で、サイバー課が掴まされた偽情報……あれ、僕が見抜けなかったせいで……ハイドを逃がしてしまったんです……。」
ブルー「それ、凹む。」
俺「先週会うた時も大人しかったやん?」
ポーピ君「あの時は、私の行動も言動も青島さんたちに筒抜けなのを忘れて悪口言ってたらとても怒られました…。」
ピンク「アンタが悪いんじゃない。」
ポーピ君「はい、抹消されかけました。危なかった…。」
イエロー「……なに言うてん。」
ブルー「感情シミュレーションにやや不具合……」
ピンク「ややどころじゃないわよ!」
俺「パノプティコンの深刻さにビビってたんとちゃうんかい。」
ポーピ君「そんなことより、私を手伝ってください。サイバー課が取り逃がしたハイドを私の手で追い詰めて青島さんより上に昇進して大っぴらに悪口が言いたいんです。
イエロー「お前…ええ性格しとるわ。」
レッド「ポーピを手伝うんはさておきここに来たんはええ選択や。」
ポーピ君「どういう事ですか?」
ブルー「最終決戦。…ここ。」
俺「ちび達の解析で管理者の通信端末、ここ(パノプティコン)に繋がってるんを発見した。」
ピンク「手伝って欲しいなら警察の情報も教えなさい。」
ポーピ君「本当ですか!デンチュウジャーのオレンジ。加入ありがとうございます!」
全員「ちゃうから!!」
ポーピ君から青島たち公安の動きを聞く俺たち。記録は一切残さず、存在証明さえ“消すこと”が得意なハイド。 だが―― 奴の痕跡がここにある。
摘発後、警察はすぐに“指揮系統の中心”を追い始める。 ログを解析する中で浮かび上がったのは、“Hide”のコードネーム。 だが――
通信は全てVPN多段経由
資金は仮想通貨と犯罪トークンによってグローバルに分散
俺「ポーピ、青島に連絡入れろ!今から俺等がパノプティコンの深部を暴くってな。」
ポーピ君「それじゃあ私の手柄にならないじゃないですか!私がやるって送っていいですか?」
レッド「……。好きにせぇや。」
まだ微かに残るモニター群、その中心に、黒い霧のようなものが漂う場所。
ブルー「電柱。青島にコンタクト取れた。音声通信できる。」
俺「さすがブルーや。青島、聞こえるか?」
ポーピ君「え、え、え!?私が通信した意味は…?」
青島「はい、聞こえます。パノプティコンの管理者の特定の方はどうなっていますか。」
俺「(しもたぁ…忘れとった…)」
俺「か、管理者の通信端末ここに繋がっとる。」
青島「さすが電柱さんです。」
「………。」
皆からの冷たい視線が痛い。
“ハイド”の使用していた匿名OSに残されたわずかなログ それが「とある小学校の監視映像」であると判明。
イエロー「こいつ自分で仕掛けたカメラに映っとる可能性あるで。アホなん?」
ポーピ君「青島さん!これで私は昇進確実ですね!」
全員+青島「………。」
青島「ポーピ、アタナの行動も言動も全て記録されているのですよ。」
ポーピ君「ごめんなさーい。」
レッド「もう、お前黙れ。」
ブルー「青島。映像送る。解析しろ。」
青島「承知しました。さっそく取り掛かります。ポーピ、帰ってきなさい。」
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【静岡県某所】
無人校舎の旧施設。そこに一時的に設置されていたカメラ記録が残っていた。
映像に写ったのは、数秒間だけ不審に振り返る男。フードを被っていたが、顔を斜めに向けた“鼻の傷”が手掛かりに。
解析班「映像解析、完了しました! 奴は……“鼻に傷”……間違いなく、機密 洩矢です!」
青島:「……彼は…、前科のある。公安でずっとマークしてた人物です。」
元・警察庁情報技術室 機密 漏矢 一連のシステム構築に関与後、死亡偽装して海外逃亡していた。
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機密はタイ・バンコクにて逮捕。現地での資金洗浄ネットワークも一網打尽。
世界各国に提供されていた日本発の「監視カメラAI」も、全面禁止へ。
国連サイバー監視条約が改定され、日本は“監視と人権”の問題国に認定される。
俺「終わったな……。」
パノプティコンは崩壊した。
俺たちは青島たち公安が逮捕できなかった客のリストを手に入れる。
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公安から入手したリストの一人――
「ふぅむ、なかなか面白い覗き見サイトを見つけたと思ったんだが、摘発で消えちまったか。他に、似たような“穴場”はないものか……?」
自室の机で、スマートフォンを操作しながらパソコンの画面を眺める男。
突然――
パソコンのモニターに、男自身の顔が映し出される。驚愕し、椅子から転げ落ちそうになる男の姿が、リアルタイムで映し出されている。
「何なんだこれは?どうなってる!?」
モニターに書かれた一言。
『お前も覗き見られているぞ。』
「ひっ……うわああああああああ!!!」
プツン――
モニターの電源が落ち、部屋は静寂に包まれる。
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「ブワハハハハッ!見たか、今の顔!最高にオモロかったわ!」
「もう、余計な事しないといいけど。」
「しかし、電柱もなかなかエグいこと考えるなぁ。これで何人目や?」
「驚き方。…十人十色。」
「晒されんかっただけでもマシやろ?」




