41話:協力?
ベースノード
レッド「電柱、ちびに外部からアクセス来とる。……これ、青島の仕業ちゃうか?」
俺「なんかしら動きあったんかもな。」
レッド「座標送って来とる。」
イエロー「ほな、ブルーとピンクは留守番な。皆で行っても話し聞くだけやし。」
ピンク「……分かった。」
ブルー「ポーピ。…会いたかった。」
俺・レッド・イエロー&ピンク 「「留守番確定!!」」
連絡を受けて向かった座標。青島とポーピ君が静かに立っていた。
俺「遅れて悪かった。」
俺の声に、青島が鋭い視線を寄越す。
青島「いえ、お待ちしておりました。……電柱さん」
隣には、どこか所在なさげに立つポーピ君。顔色が悪い。
青島「さて。あなた方から提供された情報を元に、我々は現実世界での捜査を開始しました。 パノプティコンが利用していたと思われるサーバーの特定、資金の流れの追跡、タグ付けされた被害者の洗い出し――」
イエロー「口だけならAIでも言えるで。」
青島「結果は出ています。既に複数の拠点を特定、家宅捜索の準備に入っています。 押収したデータの中には、“商品”のリストもありました。」
その言葉に、驚いた。 ――やるな。ここまで本当に動いたとは思ってなかった。
青島「……それと、伝えなければならないことが一つあります。」
言いづらそうに口を開く。そのトーンで察した。ここからが本題か。
青島「押収データの中に、国内からのアクセス履歴がありました。そこに……警察内部の端末と一致するIPがあったのです。」
レッド「……うん。」
イエロー「偉いで、隠さんと言えたな。」
青島は一瞬驚いたような顔を見せたが、すぐに静かに頷いた。
青島「ご存じだった……?」
俺「言わんかったんは、あんたがどう動くか見てたからや。」
青島「……。」
俺「正義を語る側が、裏で人を売っとったってのは、笑えんジョークやけどな。 けど――あんたは、正直に話した。それは評価する。」
ポーピ君が肩を震わせる。 怒りか、悔しさか、それともただ、現実の重みに潰されそうなだけか。
青島「この件について、我々の中でもごく限られた人間しか知りません。そしてその中に、あなた方も含まれることになる。 ……信じたいんです。外からの視点、ネットの闇を知る者として、あなた達に協力してもらいたい。」
沈黙が場を支配する。
イエロー「……で、その“協力”っちゅうんは?」
青島「パノプティコンの管理者の特定。奴はネットの迷路の奥に隠れています。あなた方の力が必要です。」
俺「勘違いすんな。あんたらに協力するつもりはない。俺らは、俺らのやり方でやる。」
レッド「せやけど、今回は利害が一致しとる。そっちもそれ、ようわかっとるんやろ?」
しばし無言ののち頷いた。
青島「……了解しました。情報のやりとりは限定的に。こちらからの干渉も最小限にします。」
イエロー「ほんまに信じとるわけちゃうで。でも、嘘ついてへん顔やった。……今回は、それで充分や。」
青島「クフックッフフ♡ありがとうございます。言質、取りましたよ。では、1週間以内にケリを着けます!クフフン♡」
全員+ポーピ君「きっしょー!!」
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ベースノード
ピンクとブルーに青島たちとの会話をデータで共有する。
ピンク「相変わらず、あの笑い方…無いわね。」
ブルー「ポーピ。元気ない。」
レッド「あぁそれ俺も気になったわ。あいつ、『きっしょー!!』しか喋ってなかったし。」
イエロー「しかし、ほんまに1週間で片付くんか?」
青島の自信、あの笑い……違う意味で寒イボが立つ。とにかく様子を見るしかない。




