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40話:想像しまくった先に、

皆に黙ってこっそりと、抜け出したある日の俺。


「なぁ、アナウンスさん。出てきてくれんかなぁ。めっちゃ相談あるんやけど!」


【……】


「(だんまりか…。ボーナスステージの時ノリノリで"ARE YOU READY FIGHT"言うてたから出てくると思ったんやけど…)」


「声聞かせてえやぁ、相談があって1人抜け出してきたのに、さみしいやん。」


【……】


「干渉せえへんのはええけど、たぶん俺とピンクの会話聞いてたやろ?とんでもない事なっても知らんで!!」


【……チッ】


「えっ!!舌打ち!!」


【この世界に面倒くさいものを構築しないでいただきたい。】


「なんか…怒ってます?」


【死者の蘇生?時を操る?ナンセンスッ!!できる訳がないでしょう。 どこぞの魔法ファンタジー世界ではありません。現実世界に即したプログラム構築しかできません。ええ、できませんとも】


「(やっと喋ってくれた思ったら…激おこ。なんかオモロくなってきた。)」


「そやけど、ガイシ達どうなんねん?」


【あの子達は現実世界に即したプログラム構築を……待ってください。なんですかこれは?】


■雷耐性

落雷すらゼロダメージ 通常の電撃攻撃は完全に無効化。


■ 物理耐性

物理破壊も大幅軽減。 高速落下や爆発の衝撃波にも耐える。


【えっ……?自己修復まで……あり得ない、あり得ない、あり得ない…。なんなのコイツ…。ちびイエロー爆死で諦めたんじゃなかったの?】


「いや、さすがにコイツ呼ばわりは…」


【ウォッホン。失礼しました。イナズマ マコトにお聞きします。あなたはどのようにプログラムを構築していますか?】


「ええ?そら何もない状態でプログラムを構築するんや、簡単やない。むちゃくちゃ細かいところまで想像して、想像して、想像しまくった先に、創造できるんや。」


【は…?】


「だから、想像しまくったら創造できるねん。」


【では、ハッキングはどのように?】


「こいつどんなんなんやろなぁ?ハッキングって要は"鑑定スキル"みたいなもんやんなぁ?鑑定!!!って感じでやると、頭に入ってくる。」


【……】

「……」


「ピンクの――

【無理です】


「……」


「ピン――

【無理】


「諦めるか。」

【ダメです。】


――ニヤリ


「はいー!言質とった。作るからなー!」


【……チッ】


「なにも本気で、蘇生や時間を操れるとは思ってへんよ。ただな、ピンクの気持ちを汲んだもんを作ってやりたいねん。」


【………。仕方ないですね。あまりにファンタジーなものはダメですよ。】


「サンキュー。さすがアナウンスさん!あんな、ガイシ達の新技開発の時にちびが1体可哀想な事なってもたやん?あの時にピンクがな、


『あたしには、あの子たちをただの分裂体って思えない…』


って言うてたんや。たぶん感受性がガイシ達より強いんやろなぁ。」


【ということは、あなたが構築しようとしているのは"彼女の願いをなぞるようなもの"ですか?】


「せや、じゃないとピンクもあんなん思いつかんやろ。そこでや、こんなんどうや?」


【……】


「ブレスレットや。これに7つのストーンを嵌め込む。そのうち5個には、ガイシ達、ブラック、俺の名前が彫られている。」


【ほう。】


「その5個のストーンやけどな、使用すると名前書かれているやつが5分前に巻き戻るねん。」


【ですから時間操作はダメといいましたよね。】


「ごめん。言い方が悪かった。プログラムを書き換えるねん5分前に。」


【それ、言葉遊びですよ。】


「まぁ、聞いたってや。とりあえずそれを"ターゲットリワインド"って名付けた。制限と代償もつける。」


【…ターゲットリワインド。……ダサ!

とりあえず聞きましょう。制限と代償とは?】


「ダサって…泣いてええ?」


ターゲットリワインドの制約と代償


俺の許可制

ターゲットリワインドの発動には、「俺」の許可が必須。


俺へのリワインドは全員の許可制

俺がターゲットリワインドの対象となる場合は、ピンクを除く他の4人全員の許可が必須。


記憶喪失の代償

ターゲットリワインドを1回使用する毎に、5人がピンクの記憶を1/5ずつ失う。5回使用でピンクは完全に忘れられる。


「これなら簡単に使えんやろ?こんなんほんまは無い方がええねん。」


【確かに、ピンク1人では使えませんね。しかし、無い方がいいと言いながらどうして作るのでしょうか?】


「あったら安心。くらいに思えたらええやん、ピンクの皆を思う気持ちを形にしたいやん。」


【まあ、どうせダメだと言っても作るのでしょう?承知しましょう。後の2つのストーンはどうするのですか?】


「そうやなぁ、1つはピンクの能力を他のやつが使える。もう一つは、回復系能力をと思ってる。」


【はあ…どうせ"プログラムの書き換え"なんて都合のいい言葉遊びではぐらかすのでしょう?】


「ヘヘッ。バレたか。」


【はっきり言っておきます。あなたのプログラム構築は有り得ません。無茶苦茶です。】


「あっはは…俺もそう思う。」


通信をピンクに入れ、ブレスレットの説明をする。ピンクの要望とは少し違う形になったけれど楽しみにしていると返事があった。



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