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37話:ブラックの裏切り


俺「…来たか。スタックス、現れたな。」


ピンク「場所は…製鉄所系のサブネットワーク、Cゾーンの制御システム近く!やっぱり奴の狙いは制御システムよ!」


レッド「ロッカーゴカは現実世界の鉄製造会社が何とかする言うてたけど…スタックスまで来るなんて知らんやろ!? こんなん被害、桁違いやろ!!」


俺「現実のことは現実の人間に任せたらええ。でも…」


レッド・ブルー・イエロー「ネットワーク世界は、俺たちがなんとかする!!」


ピンク「男って…。」


俺「スタックスネットは制御システムの隙を狙って入り込むタイプ。せやから、こっちで“偽の制御中枢”を作って、そこに誘い込む。」


ブルー「“仮想ICSゾーン”。…準備済み。」


イエロー「裏からフィルタで流入経路を絞って、アクセスルートを限定。奴が侵入した瞬間、パターン解析して全ログ取ったる。」


俺「その間に現実世界の人間が物理的に破壊するのが一番早いんやけど…」


レッド「落ち着け。破壊は最後の手段や。まずは“学習アルゴリズム”を解除させる。奴が自分の行動を“上書きできない”ように封じたる。」


通信が入る。


ブラック「……アクセスルート誘導完了。奴は罠に食いついた。」


その報告にみんな安堵の表情を浮かべる。


が…


ブラック「…いや、待て。スタックスが動きを変えた。ルートを逸れて、別ルートに入った!」


俺「なにっ!? そんな経路、用意してへんはずや……いや、これは…!」


内部ログに第三者アクセスの痕跡。しかも俺たちが…仕掛けた罠の構成ファイルが、数分前に書き換えられている。


イエロー「まさか…!?」


誰もが、たった一人を思い浮かべた。


レッド「…ブラック、お前……」


空気が凍りつく。


ブラック「(……今は言えない。でも…まだ終わってない。俺はまだ、こっち側に"見せかける"必要がある。)」


俺「…………やるしかない。裏切り上等や。相手がこっちの手の内を知ってるってんなら――」


レッド「なら逆手に取ったるだけや!」


俺「おう、戦い方を変えるぞ。“あいつが知ってる罠”をそのまま動かして、“あいつが知らん仕掛け”をその下に重ねる。二重構造や!」


イエロー「ブラックがリークするなら、その情報ごと利用したる。……。“偽の裏切り”ってやつ、見せたろやないか!」


俺は再びコードを思い描き再構築を開始。


俺「スタックス、お前がどんなに進化型やろうと……ネットワークを守ると決めた俺の意地、見せたるわ!!」


ネットワーク空間の空気が変わる。


仮想Cゾーンの制御インターフェースが揺れる。そこに、ノイズと共にヤツが現れる。


スタックス「制御Cゾーン、進入完了。仮想パラメータ群、解析中。環境適応処理を開始。」


ピンク「来たっ……!!」


ブルー「仮想ICSゾーン、完全起動。ログ記録、スタート!」


イエロー「よっしゃ……さぁ、お前の“癖”を全部見せてもらおか!」


スタックスが一直線に“偽の制御中枢”へ進む。


レッド「これで…ハマったな!」


だが次の瞬間。


スタックス「…非整合パターン発見。解析誤差。罠、識別。」


スタックスの身体からノイズの粒子が吹き上がり、空間が一瞬ねじれ、全データが逆流する。


俺「くそっ!見破られた!?こんな早く!?」


イエロー「もう1段ある。こっちの“本命”は下に重ねた方や。」


だが、


スタックス「二重構造。情報逆流トラップ……処理完了。」


ピンク「嘘っ!?こっちも…!」


全て、見抜かれていた。


スタックス「次は、お前たちのターンだ。」


腕を振り上げる。閃光が走った。


『ピカッ!』『ゴゴゴゴォォ』


閃光からわずかに遅れて雷鳴が鳴る。


イエロー「……!」


俺・ピンク「イエローッ!!!」


レッド・ブルー「……。」


イエローは動かない。一瞬の出来事にここにいる誰もが反応できなかった。


俺「(そんな、アホな……一瞬で……)」


スタックス「遅い。お前たちを倒すなど造作もない。時間の無駄。消えろ。」


レッド「……なんや、こいつ……雷落としてきやがった…。」


ブルー「ブラック。なんでそっちにいる?」


ブラック「俺はもともとこっち側だ。まぁ、お前達とのレンジャーごっこ、嫌いじゃなかったがな。」


俺「なんでや…なんでやブラック!フルグラストリートのこと、思い出したって言ってたやないか!!俺らと行動を共にするって…。」


ピンク「…もう、一緒にいられないの?」


ブラック「……。」


スタックス「懐かしい名前を聞いたな、フルグラストリート。トロイ、俺もフルグラストリート出身だ。」


俺「お前、フルグラストリートの記憶あるんか?」


スタックス「もちろんだ。…あれ?…もういいだろう。トロイ、こいつら始末するぞ。」


ピンクを見据え腕を振り上げたその瞬間――


ブラックが一閃、ピンクをギリギリで雷から引き離す。


スタックス「邪魔をするな!なぜ助けた!!」


ブラック「こいつには借りがある。初めてこいつらと戦ったときに、このピンクに動きを封じられた。今、その借りを返す。」


スタックス「……そうか。分かった。」


ピンクとブラックが対峙。


ピンクはネックレス流星錘を操るが紙一重でブラックが躱す。ブラックを一瞬落とす(遮断)ことで攻撃を避けるピンク。攻防は一進一退。


スタックス「ほう、トロイと互角。なかなかやるな。では赤いのと青いの……それと。」


俺「イエローがワンキルやった。気をつけろよ!」


レッド「お前は下がっとれ。」


レッドとブルーが俺の前に立ちスタックスから目を離さない。イエローが打たれたことに 怒り震えている。


俺「分かった。でも、何かあったら俺も出るからな。」



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