表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/64

32話:クフフッ、クッフーン♡


青島「──では、正式に“協力”ということで、よろしいですか?」


俺「……とりあえず、情報をやる言うただけや。」


青島「ありがとうございます。では、まず、そちらから提示された“条件”について一点、確認させてください。」


俺「どれや?」


青島「“名簿を俺らに提出”──必要でしょうか?」


俺「当たり前や。“公安だけ”が持ってたら、どうせ握りつぶすやろ。絶対に公表させてもらう。」


青島「…なるほど。覚悟が違いますね。」


俺「そっちが“正義”名乗るなら、包み隠さず全部出せ。綺麗ごとだけじゃ済まへんで。」


ポーピ君「名簿の入手先とか、ほんとにあるのですか?情報が空振りだったら無意味ですよ。」


ブルー「……ある。パノプティコンの“管理者”が全て持ってる。」


青島「その“管理者”とやらを、どうやって──」


俺「お前ら話し聞いてたか?"情報をやる。解決せえ!"言うたんやぞ。」


青島「……痛いとこ突きますね。」


レッド「警察ってのは、“痛いとこ突かれてから”が勝負ちゃうんか?」


青島「……肝に銘じます。」


イエロー「昔の刑事が言うとった。捜査は足で稼げ。」


ポーピ君「プログラムやのに?」


(カチッ)


ピンク「ごめんなさいwww私のイラッとスイッチが勝手に入ったみたい。」


ポーピ君はフリーズしている。


俺は、パノプティコンについて話した。使用されているカメラの種類、見守りAI会社の撤退、P2Pの悪用、ネットワーク化された理由。


息を呑んで話を聞いている霧島が口を開いた。


青島「ちょっと待ってください。一般人である貴方がたがそこまで調べたと言うのですか?あり得ない。」


ピンク「あんたも忙しいわね。私たちのことを無視できない存在だ、とか存在が異質なんて言っておきながら。今度は一般人?」


青島「…。失礼しました、続きをお聞かせ下さい。」


話を続ける。編集された映像、タグ付けられ映像が商品化される過程。そこまでを話し、青島に改めて聞く。


俺「お前ら本気で解決出来るんか?下手にちょっかい出して犯人逃がすくらいやったら聞かんかったことにして帰ってくれ。」


青島「…。」


イエロー「あんだけ俺らを煽っといて今さらビビったか?」


青島「いえ…。クフフッ、クッフーン♡」


全員+ポーピ君「きっもち悪!!」


青島「失礼しました。私がサイバー課に配属されて早数年。被害者には申し訳ないですがこんな大物に有りつけるとはクフフックフックッフフーン♡」


レッド「いや、だから笑い方よ。」


イエロー「電柱。寒イボ立ってきた。帰ろや。」


全員+ポーピ君「賛成。」


青島「ポーピ、あなたはこちら側でしょう。一応、私の部下なのですよ。」


ポーピ君「……はーい。」


青島「何か不満そうですね?」


ポーピ君「電柱さん達の方が楽しそうで…仲間に入れてもらえないでしょうか?」


全員「断わる!!」


ピンク「あなた、イラッとするの。」


ブルー「笑い。方向性違う。」


イエロー「笑えん。」


ブラック「遠慮願う。」


レッド「どの口が言うとんや?」


青島「まぁ、あなたがそういうのでしたら、構いませんよ。私はもう少しパノプティコンについて思いを巡らせます。クフックッフフ♡」


イエロー「…こいつ逝っとる。」


俺「こいつら見てみ?キャラ違いすぎるやろ?それにゴレンジャー揃ってんねん。名前もカラーで統一しとるし。」


ポーピ君「そんなこともありますよ。私は気にしないのでこれからは7人で楽しくやりましょう。」


レッド「話聞けや。」


ピンク「このスタンスがムカつく。」


ポーピ君「戦隊名あるのですか?」


俺「一応あるで、"イナズマ戦隊デンチュウジャー"っていうねん。」


全員「ダサッ!!」


ポーピ君「いいですね"イナズマ戦隊デンチュウジャー"カラーで統一するなら私、"オレンジ"に改名します。」


ピンク「無理。」

ブルー「無理。」

レッド「無理。」

イエロー「無理。」

ブラック「無理。」


レッド「はい多数決〜。お前ムリ〜!」


青島「あきらめなさい。ポーピ。クフフッ♡」


ポーピ「は~い。」


俺「諦め軽いな。で、どないする?出来るんか、出来へんのか。」


青島「もちろん、解決に全力を注ぎます。任せて下さい。それに……。」


レッド「何やねん?変な溜め作りやがって。」


青島「貴方がたがパノプティコンに手を出さない理由、倒すべき相手がネットワーク世界にいないからでしょう?ここからは我々、現実世界の人間に任せて頂きましょう。」


イエロー「チッ、ちゃんと理解できとるみたいや。」


青島「では我々はこれで失礼します。明日以降私に用事があればこのアドレスにご連絡を。こちらからの連絡はレッドさんかイエローさんのおちびちゃんに致します。」


ブルー「青島。アドレス受け取った。」


青島「あ!それともう一つ。EMPは極力控えて下さい。我々のセキュリティを越えて区役所全体がオチてしまってます。復旧の目処もまだ立ってないようですので…被害が大きすぎます。では」


青島、ポーピ君はその場から消えた。腐っても日本の最先端。どうやってこの〈ネットワーク世界〉に干渉したのか…? 俺達は警視庁の行動をみることにした。


ピンク「ねぇ電柱…。デンチュウジャーなんて絶対ムリ。」


全員「それな!」


悲しくてこいつらから視線をそらすと真っ暗になった区役所が佇んでいた。さらに悲しい気持ちなったことを押し殺すこともできず、


俺「帰るか、疲れた。ブラックはゼロに公安の話はせずに伝えてくれるか?」


ブラック「任された。」


ブラックが一瞬で消える。俺たちもベースノードに帰った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ