13話:カウントダウン
俺が順調?に修行を行っていると、ブルーがシリアスな感じで話しかけてきた。
俺「(この感じ、マジメにやらな怒られるやつや)」
ブルー「電柱。分裂体から重要報告。」
俺「お前が分裂体を置いてきたあの異常領域か…。なにがあった?」
ブルー「……データを回収した。」
ブルーの体がわずかに震える。おそらく、"分裂体"が拾ってきた情報を同期してるんやろう。
ピンク「ちょっと待って。"異常領域"って何のことよ?」
俺「……ピンク、お前が生まれる前の話や。」
俺たちはピンクに、"異常領域"の不気味さと、ブルーが分裂体を残したことを簡単に説明した。
ピンク「えっ、なんで教えてくれなかったの?」
レッド「いや、別に隠してたわけやないけどな。話すようなタイミングも無かったし。」
ピンク「ムカつく!!」
イエロー「まぁまぁ。」
ピンク「……で、そのブルーの分裂体が何か見つけたってわけ?」
ブルー『…………ログの確認を頼む。』
そう言って、ブルーは俺にデータを流し込んできた。ブルーから来たデータを俺が全員と共有する。
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[SYSTEM LOG]
167:32:18 - ログアウト
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俺「……167?この数字減ってるよな?カウンドダウン…?」
イエロー「ってことは、約7日後やな。」
ピンク「え、ログアウトって何? まさか消えちゃうとかじゃないよね?」
俺「……何やねん、誰が消えるねん。」
レッド「いや、まずこの"ログ"がどういう仕組みか分からんやろ。」
ブルー「これは"未来予測"の可能性が高い。解析を進める。」
ピンク「ちょ、ちょっと待って! "167時間後にログアウト"って、そんなこと分裂体が勝手に決めるのおかしくない?」
イエロー「ピンク、落ち着けや。分裂体はデータ回収しただけや。それに、決まった未来とは限らんかもしれんやろ?」
ピンク「でも……」
レッド「まぁ、"未来の可能性"を示してるってことやろ。」
俺「問題は、"この時間になったら何が起こるか"やな。」
ブルー「……解析を続ける。」
ブルーの分裂体はまだ"異常領域"にある。あそこから、追加の情報が取れるかもしれん。 ただ……
イエロー「なぁ、ちょっと待って。」
俺「なんや?」
イエロー「この"ログアウト"って、ほんまに"システム上のログアウト"なんか?」
俺「……?」
ピンク「……まさか、"消滅"とかじゃないよね?」
レッド「その可能性、あるんちゃうか。」
俺は無意識に拳を握った。
未来は変えられるんか? それとも、このカウントダウンは"絶対"なんか? 残された時間は167時間。 "ログアウト"の瞬間、俺らはどうなってしまうんや――?
俺「……167時間後のログアウトが何か分からん以上、異常領域にもう一回行くしかないな。」
レッド「やな。てゆーか、167時間ってのが微妙にリアルやねん。ピンポイントすぎるやろ。」
イエロー「どっかの"システム"が勝手にカウントダウンしとるんやとしたら、理由があるはずや。」
ピンク「でも、行くの怖くない? "触れたらアカン"って言ってた場所なんでしょ?」
俺「せやけど、放っておいたら何が起こるか分からん。未来を変えられる可能性があるなら、やるしかないやろ。」
ブルー「……賛成。」
ブルーは短くそう言うと、データの座標を共有してきた。
[異常領域 - 座標設定完了]
俺「行くぞ。」
イエロー「待て待て待て。なんか急にカッコつけてるけどお前、すぐ狙われるん忘れてないか?」
レッド「ちゃーんと、お守りしたるから後ろに隠れとき。」
俺「俺かって強くなったやん!6600V行けるやん。」
イエロー「ちょっと出来るようなったら勘違いするやつ。」
ピンク「あーね。」
ブルー「一撃でベースノードに飛ぶ。」
イエロー「お!ブルーええこと言う。電柱がやられても飛ぶだけやん。俺ら自由に戦えるやん。」
全員が頷く。
俺「最近の俺の扱いよ……泣いてええか……。」
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俺「相変わらずコレは不気味やな。」
ピンク「なによコレ」
イエロー「あかんあかん。今の俺らの手に負えんで、やっぱり。」
俺たちは、異常領域へと再び踏み込んだ。 異常領域に再突入してから数分後、俺たちは奇妙な光景を目にした。 ブルーの分裂体が静かに浮かんでいる。だが、その動きは妙にぎこちない。 まるで、動作が遅延しているみたいにカクついている。
俺「……ブルー、お前の分裂体、なんかおかしないか?」
ブルー「……解析中。」
ブルーが分裂体のデータを確認しようとした、その瞬間——
ピキィッ……!
分裂体の体表に、走るノイズ。
ブルー「っ……!」
ブルー自身の体も、一瞬だけ震えた。
イエロー「おいおい、大丈夫か?」
レッド「明らかにヤバそうやな。」
ブルーは静かに頷くと、データの断片を俺たちに共有した。
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[SYSTEM LOG]
167:32:18 - ログアウト
120:15:42 - ログアウト
105:04:29 - ログアウト
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俺「……減っとるやんけ。」
ピンク「え、カウントダウンが進んでるのは分かるけど、なんで時間が飛んでるの?」
イエロー「誰かが手ぇ加えてるってことか?」
俺「ちょ、ブルー。分裂体をハックするぞ!」
【警告 プロトコルエラー】【カウンドダウンを確認】【解析開始……進行度:75%】
俺「ブルーの分裂体に何があったんや……?」
【解析完了】【名称:トラップ型ウイルス"ロジックボム"】【挙動:特定の条件が満たされると発動】【推定弱点:発動条件の改ざん】
レッド「ロジックボムか…またややこいのが…」
イエロー「このウイルス、"誰か"が仕掛けた トラップ ってことになるな。」
俺「誰かって誰や!」
イエロー「お前、思ったこと何でもかんでも口にするタイプなwww」
ピンク「今の私達が知るはずないでしょ。バカね。落とす(遮断)わよ。」
レッド「とりあえず特定の条件を探すぞ、カウンドダウンを止めやんと。時間が飛ぶ原因も条件見つけたら分かるやろ。」
俺はハッキングで条件を探ってみたけど『???』としか出てこない。
俺「くそ自力で探すしかないか。」