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プロローグ


 火の粉はぱちりと音を立てて、夜の空を舞う。そこへ重なるのは、冒険者たちの喧騒。


 若き天才錬金学者が一晩で作り上げたという新開発の魔法弾が効果をあげ、大型の討伐依頼はいつもより早く終わりを迎えた。戦いを終えた冒険者たちは、焚き火とご馳走を囲んでそれぞれに笑い声を上げていた。


 その輪から少し離れたところに、黙々と大剣の手入れをする女がいた。イエローゴールドの長い髪が焚き火の灯りを拾い、誘うように揺らめく。一方で、その瞳は氷河の奥に潜む青をしていて、どこか人を拒んでいるような静けさがあった。

 

 「君がエレナ・レヴェンティス、だよね?」

 

 そこに、酒を片手にへらっとした笑みを浮かべた男が声を掛けた。

 

 「お隣いいかな?」

 「……ええ。」


 男は名の知れたパーティの魔導士をしている男だったはず、とエレナは記憶していた。何の用があって自分のようなソロ冒険者に声を掛けたのか、検討がつかなかった。


 「突然だけど、パーティを組んでくれないかな?」


 意味がわからないといったエレナを受け、男はこう続けた。

 

 「いやぁ、最近パーティを女の子とのトラブルで追放されちゃってさ。1人じゃ依頼をこなせないから困ってたんだけど……」


 「そうしたら良いところに君を見つけて、実力も見た目も超タイプってことで勧誘に来たんだ〜」


 エレナが始めに感じたのは、『軟派な男』ということだった。そしてすぐに、パーティを組むメリットがそこまで無いと踏み、丁重に断りを入れようとした。


 「申し訳ないんですが……」

 「まぁまぁまぁ!とりあえず考えといてよ。」

 「いや……」

 「あ、俺はラディ。じゃあ、また!」


 そうして重たげなローブを気怠げに靡かせ、ラディは去っていった。

 整った顔立ちに、夜へ溶けていってしまいそうな青の髪と金の瞳がやけに魅惑的だった。

 


はじめまして^^♡

お読みいただきありがとうございます。

本作は章ごとにメインが変わる、三組の恋愛オムニバスです。

のんびり投稿予定ですので、気長にお待ちいただけたら嬉しいです。

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