精霊王の鎧
「そろそろ攻めないとギリギリなんだよなぁ。」
俺は一人呟く。
『魔王』。本来なら、ここまで苦戦する相手ではないのだが・・・。
弱体化の呪いのせいで俺は徐々にステータスが減少していく。
そして、減ったステータスは魔王の所へ行くのだ。
つまり、俺は魔王にステータスを吸収されているということに等しい。
本来なら、少なくとも三年はかかる魔王討伐。その頃にはステータスは十分の一以下だろう。
さらに、魔王は強力な邪神を何体も引き連れている。
本来なら魔王にはない力。例え『勇者』でも、それこそ奇跡が起こらない限り。いや、奇跡が起こっても討伐は困難を極めるだろう。
実は、俺自身のステータスはまだ初期のレベル一。クソ雑魚なのだ。
ちなみに神を倒しても経験値は入らないし、悪魔は俺の剣で経験値すら残さず消えた。
・・・俺のステータスを見せよう。
個体名:アルマ・バング・ラファエル
職業:勇者
加護:『女神』の加護 『不死鳥』の加護
レベル:1
ステータス:体力/50 魔力/5 攻撃力/5+12800(×2) 防御力/5+2048(×2) 素早さ/5+3136(×2) 魔法攻撃力/5+100(×2) 魔法防御力/5(×2) 武器防御率/+25%(×2) 魔力回復率/+80%(×2)
恩恵:ステータス表示(自/他) 仲間強化超特大 超適正
装備:武器(右・左)/破魔の勇剣・なし 装備・頭/勇者の服・頭 装備・胴/勇者の服・胴 装備・足/勇者の服・足 装備・靴/暴風龍の革靴 装備(装飾)・腕輪/英雄の腕輪 装備(装飾)/なし 装備(装飾)/なし
スキル:全種(省略)
バフ:‹破魔› ‹滅魔› ‹英雄› <浮遊> <龍の加護> <暴風>
となっている。(×2)は英雄の腕輪の身体能力向上特大によるものだ。
武器防御率や魔力回復率等の装備による上乗せステータスにも二倍が反映されるのはやはり強い。
後、勇者の服シリーズはステータスの上乗せが一切ない。初期装備だし、しょうがない。
これを見て気づいただろう。
所々貧弱すぎないか?ということに。
体力と魔力、魔法防御力に至っては上乗せのステータスがない。
実を言うと、スキルの方で十分補える。
スキルは全種あるのだ。ステータスを底上げするパッシブスキルや、体力、魔力の自動回復。魔法の魔力消費削減。ダメージ減少。回避。自己バフ。
星の数ほどある。
勇者だから本来同時に覚えられないような強力なスキルもバンバン覚える。
魔力∞とか無敵状態付与とか、一撃必殺。それこそ加護で不死身にもなれる。
だがしかし、邪神の名は伊達じゃない。
まあそれはおいおい話そう。
ということで、今回は精霊王の鎧を見つけていきます。
え?作らないのかって?
今回のは宝箱限定装備なんですよー。残念!
「ということで、王様。神話級ダンジョン行ってきます。」
「・・・だめじゃ。お主、まだレベル一じゃろ?」
なんと、王様にNGを貰ってしまった!ただし、条件として、試練を突破したらOKらしい。
初めてのクエストだな!まあカットするんだけど。
ちなみにほぼチュートリアルなので通常攻撃でもオーバーキルである。
「わ、わかった。勇者よ。ダンジョンへ行くのを許可しよう。」
俺はそう言われると同時にダンジョンへ転移した。
「ということでやってきました神話級ダンジョン、【楽園】!」
早速入って、宝箱の前へワープ。
ダンジョンの中は転移魔法で行けないんだよなぁ。
まあ最上級ダンジョン探検スキルでワープ出来るんだけど。
今いるダンジョンの中なら自由に移動できるのだ。素晴らしい。
ただこれも、一度行ったことのある場所にしか行けないからそこは要注意だ。
「宝箱オープン!」
中に入っていたのは・・・・・・盾。
「外れ引いたか・・・まあしょうがない。」
ここの宝箱は階層ごとにランダムで中身が変わるのでどうしても外れが出てくる。
「こっからは根比べだ!」
そこで輝くのが再び登場、最上級ダンジョン探検スキル。
何と宝箱の中身を戻すことで、もう一度宝箱を開けることができる。
こういうランダムで中身が変わるダンジョンだとリセマラ出来るようになる。
・・・五時間後。やっと、鎧が出た。
もう、気力、ない。疲れた。
ダンジョンを出て、転移で部屋に戻り爆睡した。
補足として、今回の鎧のステータス
アイテム名:精霊王の鎧
タイプ:装備/胴
特典:防御時無敵。魔法吸収。精神攻撃吸収。覇気吸収。状態異常吸収。物理攻撃無効。持続回復特大(体力/魔力)。使用者にバフ<精霊の眼><精霊王の加護>を付与。
ステータス:防御力/+5120 魔法攻撃力/+512 魔法防御力/+2560 防御成功率/+95% 魔力回復率/+70% 耐久値/∞
説明:全ての精霊を治めたとされる神話に登場する精霊王が使った鎧。
これを身に付けるだけで精霊に好かれ、魔法に愛され、攻撃がまるで通らなくなるという。