表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/14

魔王城、最上階

魔王城、最上階。玉座の間。

「よお、久しぶりだな、元気にしてたか?」

「御託はよせ・・・また懲りずにやってきたか。勇者というのも難儀だな。はっはっは!」

時を止めているのにも関わらず、目の前の大男は高らかに笑っている。

「何度挑んでも同じ事よ。そもそもお前の攻撃はこの俺には通用せぬ。最初に来た時のことをもう忘れたか?」

実際、俺の攻撃は通用しない。文字通り。

物理攻撃、魔法攻撃、精神攻撃も。

状態異常も呪いも覇気も即死攻撃も属性攻撃も。

俺自身には攻撃能力が一切ない。

つまり、魔王を倒すには仲間が必要不可欠なのだ。

「お前を倒そうなんて今は微塵も考えちゃいないよ・・・ま、お前の攻撃も、俺には効かないんだがな!」

嘘だ。物理攻撃はもちろん、俺が使える攻撃手段は全部無効になっている。

しかし、魔王には俺に必ず効く、特効攻撃なるものを持っている。

そして、それに対応した装備も魔法もない。

避け続けるしかないのだ。

だが、俺の狙いは別にあった。

「正直、お前に用はないんだわ。俺が攻撃出来ないからってナメすぎだ!単体大戦略級拘束魔法『タルタロス』!」

この魔法には攻撃力が一切ない。

その代わりに、絶対に壊れないという素晴らしい魔法だ。

元々、檻の中に罪人を入れても、檻を壊したり、自殺したりということが相次いだのでこの魔法が作られたとか。

この中に居る者は無敵になる代わり、檻も同様に無敵となる。

「ほう・・・忌まわしき魔法よ・・・こんな魔法如きに遅れを取るとは・・・まあいい。どれだけお前が知恵を振り絞った所で俺を倒す事は不可能だ!」

「まだ気付かないのか?俺の目的はお前じゃない。」

俺は部屋を見渡す。

視界に入ってくるには、玉座の間という名前に恥じない豪華絢爛な椅子だ。

その後ろには、魔王の秘蔵のコレクションが眠っているという…。

俺は椅子の後ろにあったドアを蹴破る。

ロックが掛かっていたようだが、関係ない。

「ようやくだ・・・見つけたぜ!」

俺の手に握られていたのは、全てを巻き戻す魔法が書かれた魔導書。

これによって、この世界の全てがやり直される。

これを使って、俺は一番初めの、魔王に負ける前の世界まで巻き戻すつもりだ。

この世界線もなくなるし、当然俺の記憶も消える。そして、魔王の記憶も。

「じゃあな!魔王!またすぐ会えるから楽しみにしておけよ!」

俺は魔法を唱えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ