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紀行文  作者: 雪時雨
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hiems

ベルゲンの中身を確認する

使い古された折り畳み財布、冬用のどれも分厚い衣服、いかにも一流キャンパーが使いそうなコッヘルにバーナー、B5ブロックタイプの水彩紙と絵の具と筆——他にも沢山

腰に巻かれたタクティカルベルトにはこれ又、30cmは裕に越える革のシース、何に使うのか分からない多種多様な工具、サイズを間違えた様な大きさの無骨な手袋がぶら下がっている


その他含め所持品の確認をし終えたら、19€とチップを白い布で菱形に覆われたテーブルに置いて、路上に広がったパイプ椅子と机を人に当たらない様配慮しながらすり抜け後にし、大通りへ足を向ける。深い渋さを感じた紅茶にクロックムッシュの味と匂いが頭に残るまま、肩を上下させベルゲンを背負い直し、足を進め…いや、もう一個ぐらい頼んでも良かったのでは無かっただろうか…あれ程の逸品は早々お目にかかれない。しかし旅で出逢った美味しい食べ物は一回きりで満足せず「また食べに来たい」と思う方が記憶に残るのではないか?確かそういう事が本に書いてあった気がする。

しかし時既に遅し足は留まらず無謀な議論に脳を酷使していたその時、暖かな陽の光を感じて思考が止まる、右を振り向けば目が眩しい。

耳を澄ませば、行き交う人々の愉しげな声と木々の葉どもが小さく擦れる音が聞こえ、青白赤の並びが白い壁を背中に旗めくのが見える。

腕時計には長針がⅥを指し、短針がⅠを指していている。


仕方ない、次は何処へ行こう。

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