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剣聖対道化師


時間は少し遡り、メフィストが受肉を完了した直前まで遡る。


「雷光」ムサシ・カゲミツとの死闘を終えた圭太は、遅れて来たエドワードと一緒にどさくさ紛れに逃げたバルバートの捜索をしていた。



「敵はまだ城内にいるはずだ!必ず見つけ出せ!!」


「「「ハッ!!」」」


エドワードは部下の騎士達に命令を下だす。


既に城内に居たウステム蕃国とヴェルダン帝国の人間は殆ど捕まえてたので、残るは主犯格の一人であるバルバートのみだ。


エドワード達が捜索する中、圭太はスキル「千里眼」を使ってバルバートを捜す。


(うーん……ダメだ、結界のせいで大まかな位置しか分からん)


ソラリア城には王国最高の結界魔法の使い手「結界者」アルカナ・シークレットによる結界が張られているため、転移系魔法や千里眼などの索敵スキルが阻害されるのだ。


(まぁいいや、この調子ならその内見つかるだろう……)


圭太がそう楽観的に考えていると、突然城内に謎のプレッシャーを感じた。


「「?!!」」


プレッシャーに気づいた圭太とエドワードは、互いに目線を合わせると中庭へ向かう。


すると、移動の途中でエドワードが


「なぁケイタ。このプレッシャー……まさか……」


と、聞いて来た。圭太は軽く頷くと


「ああ、間違い無い。魔族だ!」


確信を持って言いきった。

圭太が言い切った事でエドワードは表情を少し歪めながら


「済まないケイタ、君に頼みがあるんだ」


エドワードの頼みにが何なのか薄々分かっている圭太だが念の為確認する。


「ああ、魔族とサシでやりたいって事だろ?」


「うん!」


「一応聞いておくが、それがどう言う意味だか分かってるんだよな?」


圭太の問いにエドワードは真面目な表情で


「もちろん分かってるよ。絶対に負けられないって事だよね!」


と言って、軽い笑みを浮かべた。


エドワードは「剣聖」にしてソラリア王国の騎士団長だ。本来ならば国益の事をなによりも優先しなければ行けない立場である以上、人族にとって最大の敵である魔族を討伐する事は最優先事項だ。そしてこの場合、エドワードと圭太の二人がかりで魔族と闘うほうが勝率が高いのにの関わらず、エドワードは一人で魔族と闘いたいと言った。

その理由は、当然エドワードの個人的な用件……いや私怨と言うべきだろう。

それを分かっている圭太は、エドワードに対して確認の意味を込めて聞いたのだ。

そしてエドワードが「分かってる」と言った以上、圭太はエドワードを止める事はしない。なので圭太は、エドワードに対して一言だけ


「勝てよ!」


と言って圭太は、エドワードと別れて正門へと向かった。先程、城の外から爆発音がしたのが気になったからだ。

エドワードは別れ際、圭太に向かって


「王都をお願いね」


と、本来ならば自分の使命を圭太に押し付けた事に対して、申し訳無さそうな表情をしながら言うと、圭太は右手の親指を立てながら


「まかせろ!」


と、一言だけ言って二人は別れた。



**************



中庭に出たエドワードは、燃え盛る王都を見て怒りを露わにする。普段、殆ど感情を表に出さ無いエドワードが、これほどの怒りを覚えたのは父親が殺された時以来だろう。


怒りにより我を忘れかけたエドワードだったが、突如として我に返り城の天辺を見た。

エドワードの持つ索敵スキルがメフィストに反応した為だ。

エドワードが上にいるメフィストを確認した時、丁度メフィストはボールを城へとばら撒いた。


(あのボールは危険だ!)


落ちてくるボールを見て危険だと思ったエドワードは、目にも止まらぬ速さで落ちてくるおよそ50個のボールを魔力で作った箱の中に入れて回収する。この時はまだ、メフィストが王都を爆発させたのは知っていても、ボールを使って爆発させていた事を知らなかったエドワードだが、結果として魔力で作った箱に封じ込めたのは正解だった。ボールが爆発しない事を確認したエドワードは箱を消してボールを一箇所にまとめて置く。


「ふう。これで大丈夫そうだね!」


エドワードが安心していると、上空から道化師の格好をした男が降りて来た。


道化師は不機嫌声で


《そ〜れは、君〜がやったの〜かな?》


と聞く。すると男は


「そうだよ!流石に王城を爆破させる訳には行かないからね!全て回収して壊させて貰ったよ!所で、君は何者だい?」


と言って質問をする。

すると道化師は


《小生〜は「魔伯爵」メフィスト!!君〜の名前〜を聞いとこう〜かな?》


「僕かい?僕はエディアス家当主。『剣聖』エドワード・アル・エディアスだよ!!そうそう、一つ聞いておきたいんだけど20年前、僕の父を殺したのは君かい?それとも君のお仲間かな?知っているなら教えて欲しいんだけど?」


エドワードの問いにメフィストは


《ん〜ん!残念ながら小生は知ら〜ないね!!ま〜あ、仮〜に知っていた〜としても教え〜る訳ない〜よね!!》


と、言って断る。

するとエドワードは笑顔を止めて


「それならしょうがないね。実力行使はあまり好きじゃ無いけど、こっちも時間がないんでね!」


と言って、腰に差した2本剣を抜いて構えた。

するとメフィストは、どこからかナイフを取り出すと


《ん〜ん!!やれるもん〜ならやってみ〜ろ!!人族風情〜が!!!》


と言いながら、エドワードに向かってナイフを飛ばす。


エドワードは飛んできたナイフを叩き落とすと、メフィストに向かって剣を振るう。

メフィストは懐からボールを取り出すと、エドワードに向かって投げながら距離を取る。


「無駄だよ!ハッ!!」


ボン!!


エドワードは剣に魔力を纏わせて斬撃を飛ばし、ボールを真っ二つに切り裂く。


《へ〜え!な〜かなかやる〜ね!それ〜なら、これ〜は、ど〜うかな?》


そう言ってメフィストは、10本のナイフを空中に投げ、自由自在に操りながらエドワードに攻撃する。


死の舞踏(ダンスマカーブル)だ〜よ!》



キン!


キン!


キン!


と、飛んでくるナイフを余裕で捌いて行くエドワードだが、メフィストはさらに爆発するボールを投げて来た。


「仕方ないね。聖剣解放!!」


捌くのが億劫になって来たエドワードは、両手に持つ先代剣聖である父の剣【聖剣 ガラティーン】と同じく【聖剣 モルガン】に魔力を込める。すると二振の聖剣は眩く輝き、真の姿を露わにした。


聖武具は魔武具と違って所有者を選ぶ。


誰にでも使う事ができる魔武具に比べて聖武具は自らが認めた所有者にのみが使いこなす事が出来る。

その理由は定かでは無いが、聖武具は自らが選んだ所有者にのみ、その真の姿を見せる。

そして、真の姿となった聖武具は魔武具をも上回る力と能力を発揮する。



エドワードの持つ二振りの聖剣の光がおさまり、その真の姿を現した。

右手に持つ【聖剣 ガラティーン】はまるで太陽のように輝き、熱を帯びているのか刀身の周りには陽炎が出来ている。


逆に、左手に持つ【聖剣 モルガン】は深闇のように真っ黒に染まり、光を吸収しているようだ。


真の姿を現した聖剣を見て、驚いているメフィストにエドワードはガラティーンを突きつけながら


「さて、続きと行こうかメフィスト!」


と言って、エドワードは不敵に笑いながら剣を構えた。


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